名前からして怪しいと思う。

 だって、「ひばごん」って想像上の生き物なんでしょう。


 でも、温泉となれば行ってみないわけにはいかない。

 クルマを国道182号線を走らせた。

 東城からなら、道後山からのショートカットを走ったほうが近いかもしれない。


ひばごん郷温泉 すずらんの湯


721列車の個人的な温泉訪問記録








 見た感じは温泉健康センターという感じなのだけど、ひば・道後山高原荘という施設の中にあり、まわりに体育館やクロカンパークなどがあり、更に当日はいくつかの学生団体が我が物顔で温泉施設の館内を歩き回り、無法地帯の様相を呈していた。


 まぁ、風呂は今はやりのスーパー銭湯といった感じで、大きく清潔で、サウナまである。肝心のお湯は、単純弱放射能冷鉱泉なんだそうな。


 それに、水曜日は普段600円の入浴料が310円になるのだ。

 実は、その310円というウワサで行ったのだ。


 落ち着いたらいい感じなんだろうけど、無礼な学生団体がいなかったらよかったと思う。

 高尾温泉から少し、国道314号線を東城の方向に戻ったら、宮の奥湯のカンバンがあるが、ちょっと壊れかけている。

 そのカンバンにしたがって、あぜ道を進んでいけば、かつて宮の奥湯だったところに出る。


 宮の奥湯


 すでに営業をやめたそうだ。



721列車の個人的な温泉訪問記録
























 ここまで来て、何も看板などなかったので、もっと先だろうかとクルマをケモノ道に入れかけたら、おじさんがやってきたので、「宮の奥湯はどこですか」と聞いたら、写真の建物を指差して、「ここだけど今はやっていないよ」とおっしゃった。

 

 よくよく見たら、入り口の上に朽ちてしまって読めなくなったカンバンがある。

 

 もう、風呂には入れないのだそうだ。


 残念!

 世の中、シルバーウィークと言って浮かれているが、私は22日まで仕事をしていた。

 23日は、一日だけヒマになったので、近場でどこかに出かけることにした。


 出かけるといっても日帰りだから、遠くに行くわけにはいかない。高速道路を使わないで、それなりに旅情を味わえるところに行くことにした。

 前置きが長くなったが、備後落合駅の辺りには、4箇所も温泉がある。その4箇所を全部回ることにした。


 高尾温泉


 以前から、国道314号線を東城から道後山を越えて備後落合に行く途中、ひょうたん型のカンバンがあったので、気になっていた。しかし、不覚にも今まで一度も行った事がなかった。

 

 国道から見たら、石州瓦を載せたお金持ちの邸宅にしか見えない。


721列車の個人的な温泉訪問記録


 クルマを砂利の広々とした駐車場に置いて、入り口に立った。




 営業中の札がなければ、ちょっとしたお城の入り口か、忍者屋敷のような感じがして、とても温泉の入り口には見えない。



721列車の個人的な温泉訪問記録

 入っていったら、目の前に大きなテレビを置いた座敷があって、オバさんが一人でテレビを見ていた。

 温泉に来たことを告げたら、私から500円を徴収し、「右側の階段をおりてね~」と言ったきりで、あとは「ご自由にどうぞ」という雰囲気だった。


 なんだか田舎家に遊びに来たような感じである。タオルを手に階段をおりたら、男湯に先客がいた。

 関西からやって来たらしく、「大阪のテレビ局の旅番組でやっていたので、入りに来た」「これから高速道路で大阪まで帰るけど渋滞が心配だ」などと言いつつ、私と入れ替わりに出て行った。


 脱衣所で素っ裸になって、ドアを開けたら、三人くらい入れそうな浴槽があった。

 さっそくフリチンで掛け湯をしたら、やけどしそうなくらい熱かった。熱湯風呂である。

 桶に浴槽から湯を汲んで、水で温度を下げながら何度も掛け湯した。せっかくやってきて、浴槽に入れないのもシャクなので、熱い中、お湯をかき混ぜて水を入れたが、熱い湯が湧き出てきて、とてもではないが入れない。

 それでもやけど覚悟で肩まで浴槽に入って、10数えようとしたが、4で耐え切れず飛び出してしまった。


 ただ、すぐそばを、小さな川が流れているので、景色はよかった。しかし、浴槽に入れず眺めるわけにもいかないので、10分くらいで出た。

 さっきの関西からの人は、こんなに熱い湯に平気で入ったのだろうか?


 ちょうど私と入れ替わりに、おじさんがやってきた。


 帰る前に、先ほどテレビを見ていたオバさんと世間話をしていたときに、浴槽の写真を撮るのを忘れたのに気が付いた。


 ちなみに、高尾は「たかお」ではなく、「こうお」という。国道にバス停があって、「篠原の湯」という名前がある。篠原というのは、オバさんの名前である。