特殊メイクで良く使われる、メイク用人工皮膚、
フォームレイテックス。
平たく言うと、液状ゴムをキッチンミキサーで泡立てて型に流し込んでからオーブンで焼いて固めた物。
で、焼き上がった型を開けると、フカフカふんわりしたフォームレイテックス(人工皮膚)が出来上がってきます。
この、3分クッキングで出来上がってきそうなフォームレイテックスですが、実はこれ、日本ではなかなか巧く焼き上がりません。
と、言うのがこのフィームレイテックス、湿気が大敵なんです。
部屋の湿度は勿論、型に少しでも水分が残っていると失敗してしまいます。
(他にも色んな事が起因して失敗してしまいますが…)
某特殊メイクの神様。
D教授がお越しになった際、
「湿度が50%超えているのにフォームを焼くのかい?!Terrible!!」
と、大笑いされた記憶があります。
「Terrible」ですよ。「Terrible」
「Terrible」ってねぇ…。
(―ω―;)
日本では良くある事ですってば。
(^ω^;)
そんな気難し屋さんのフォームレイテックス。
オーブンで80℃~90℃で3時間くらい焼くのですが、日本の一般人に 型が入るような大きなオーブンを持ち合わせている人なんて、なかなか居ません。
しかも、一度フォームレイテックス焼いたオーブンは、硫黄の毒素が回るので二度と料理には使えません。
なので、たとえ型が入る大きなオーブンを持っていても、フォームレイテックスを焼くなんて事したら、おかーちゃんに怒られない訳が無い。
で、どうするかと言うと、
それはもー、卒業生なんかの話を聞いても、涙ぐましい努力をしている訳です。
卒業生の実話その1
ハンドミキサーで無理やり泡立てたフォームを型に流し込み、モールドストラップで型を閉じ、ストーブの前でひたすら裏・表・裏・表…と温度が上がり過ぎないようにまた下がり過ぎないように注意しながら、ひたすら煎餅職人さんのように根気良く焼いたとか…。
実際、少し堅い目ではありましたが、見事なフォームレイテックスが焼き上がっていました!
ハロウィン用に焼いた、アプライエンス。何枚目か知らないが、見事な出来栄えでした。
ブラボー!!リエ&タルコンビ!!(元気かぁー?)
卒業生の実話その2
ホットカーペットに入っている電熱線みたいなのを秋葉原で買ってきて、フォームを流し込んだ型にグルグル巻きつけ、保温シートでくるんだ上から毛布で更にくるむ。
※保温シートにデジタル温度計を設置し、中身の温度が外から見て分かるようにしてあったらしい。
で、温度が90℃超えないようにコンセントを抜いたり刺したり、付きっ切りで面倒を見たそうな…。
(これ、絶対火災を起こすって。決して真似はしないで下さい!!)
それでも、何とか焼けたらしい。
と、日本ではそんな涙ぐましい創意工夫が歴代繰り広げられている。
HOLLYWOODの一流工房だと、6畳 間 以上の大きさのオーブンを持ってるトコがザラにある…
(私が住んでるトコより広かったりする…)
で、ここからが今日のタイトルでもある本題なのですが
(って、なげぇ~フリだなぁ)
先日、学生に突然質問された。
「フォームレイテックスって、
煮ても焼けるンですか?」
「………へっ?!」
(@_@;) なんですとっ???
私は答えた。
「ンな訳ぁーねーじゃん。湿気が大敵なのに、お湯に浸けてどうするよぉ。たとえビニールに包んで入れても無理だと思う。」
(ノ∀`)……。
学生。
「そーですよねぇ…」
(●´ω`●)ゞ
学生の言う事にゃぁ、なんでも、某週刊誌に連載されているスペシャルメイクアップ・アーティストを主人公にしたマンガ。
あの中で主人公がその場にオーブンが無くて困った挙句、フォームを煮たらしい。
取材に来られた方に、確か「フォームは湿気大敵」って伝えた気がしたンだけどなぁ。
まぁ、物語なんてこんなもんだよね。
むか~し昔に上映された映画『F/X2 イリュージョンの逆襲』
(私がこの業界に足を踏み入れるきっかけとなった作品。)
主人公(ブライアン・ブラウン)扮するSFXMANスペシャルメイクアップ・アーティストという職業に憧れてこの業界に入ったけど、
今見ると、
「ぜって~無理!!」
って事が満載だ。
業界に入ると、その辺のウソホントが分かって、ちょっと得した気分になるのさぁ~。
ヽ(*´∀`)ノ
Σ(゜□゜)
もっもしかして?!
私、頭固くなってますか?!
私もう婆ですかっ?!(誰もそこまで言ってない。)
湿気を絶対通さないようビニールとかに何重かに包んで煮れば、焼けますか??
(さっきから、『煮れば焼けるか?』って、変な日本語になってますが…)
造形屋さんのどなたか、試してみませんかっ?
d(ゝω・´★)

