「もうひとり、インタビューしてみましょう。
あっ、彼!彼!そこの彼!」
「ぼく?」
「そう!恋人の好きな所を、おしえてください!」
「ポテ美の好きな所、かあ。う~ん、しっかり者のところかなあ」
「ふ~ん。でも、じゃが男くん、女の子に人気あるみたいだけど、目移りしないの?」
「いやあ、ぼく、粉ふきいも(ポテ美の得意料理)好きなんだよ」
「もうひとり、インタビューしてみましょう。
あっ、彼!彼!そこの彼!」
「ぼく?」
「そう!恋人の好きな所を、おしえてください!」
「ポテ美の好きな所、かあ。う~ん、しっかり者のところかなあ」
「ふ~ん。でも、じゃが男くん、女の子に人気あるみたいだけど、目移りしないの?」
「いやあ、ぼく、粉ふきいも(ポテ美の得意料理)好きなんだよ」
男性にホントの所を聞いてみましょう。
あ!ゴボウさん、ゴボウさん!ちょっとちょっと!
「あ?オレ?」
そうなの、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。
「ああ。そりゃ兄貴の方だ」
「あなたが好きなのは、こっちの大根ちゃんの方よね?」
「ああ。まあな」
「どうして?どうして、普通の形の大根ちゃんじゃなくて、二股の方なの?」
「どうしてって・・・・・。そりゃ、おまえ・・・・・・」
やさしいから?
素直だから?
心がきれいだから?
内面重視だから?
(@_@)
「アッ、アアッ、おまえ!」カメラマンは大あわてです。
「いつもいつも、撮影を理由に帰りが遅いのよ!たまには早く帰ってきて、子供の面倒みてくれたらどうなの!」
「口だけはうまいんだから!また、若い女の子と一緒なの?浮気してたんじゃないでしょうね?」
「ご、誤解だ!誤解だよ!オレが愛してるのは、君と僕たちのベイビーだけだよ」
カメラマンは滝のような汗をかいて、いんげんへの別れの挨拶もそこそこに、奥さんを抱きかかえるようにして帰って行ってしまいました。
初めて、わたしを個性的だと言ってくれた人。
わたしの夢に協力してくれた人。
自信を持たせてくれた人。
短い間だったけれど、わたしはあなたが好きでした。
さようなら。バナナのカメラマンさん。)
いんげんは、涙を拭きました。
「さあ、おにいちゃんが待ってるぞ!私も帰らなくちゃ!
そして、わたしと同じく『個性的』な仲間達にこの写真を見せて、元気づけるんだ!
あーっ、そのバス、乗ります、待って~え!」
「へ~え!それで、田舎から出てきたの?すごいね、きみ」
いんげんはドキドキしながらも自分の思いを伝えました。
「わ、わたし、こんな形ですけど、色つやには自信があるんです。
農家には、形がいびつなだけで出荷されずに捨てられる野菜たちが沢山います。
だから、私のように、形が曲がっててもちゃんと食べられるんだ、捨てないで、ってみんなに訴えたいんです!」
バナナはしばらく考えていましたが、やがて言いました。
「そうだ。確かにもったいない。いまや、捨てるなんて流行らない。
これからは
モッタイナイ!!
これが主流だ」
なかなかユーモラスなバナナのカメラマンに、いんげんんは少し圧倒されました。
そして、即興でできたモッタイナイ!!の歌を一緒に歌わされました。
「うん、きみ、声もいいね。のびやかだ」
「あは、ありがとうございます」
「それから、きみにひとつ言いたいことがある」
「はい」
「さっき、自分を変だと言ったね」
「あ、はい・・・」
「自分のことを、変だなんて言っちゃいけないよ。個性にするんだ。
きみのカールした形を、逆に武器にするのさ」
「わたしの形を、個性に・・・」
「おいで。撮影しよう!」
「さあ、肩の力を抜いて。笑ってごらん。いいね~、いいね~、その笑顔!
君は世界で一番美味しいいんげんだ!
自信を持って、伸びやかに!
もっともっと、はじけてごらん!」
バナナカメラマンは、いんげんの形を個性としてとらえました。
『オシャレなカーラーいんげん』としていんげんの種の表紙にしたのです。
これは安心な無農薬の野菜です。
あなたも家庭菜園で、美味しいインゲンを育ててみませんか。
この企画は静かにヒットして、まがったインゲンも人々に受けいられ、食べられるようになってきました。
そして、インゲンはある日、バナナカメラマンにじっと見つめられてこう言われました。
「キミ、個性的でハツラツしてて、とっても素敵だね」
インゲンは、ドッキンとして、恋に落ちてしまいそうになりました。
すっかり落ち込んでしまった妹を見て、おにいちゃんいんげんは何とか妹の夢を叶えてやりたいと思いました。
「あきらめることはない。人がなんと言おうと、やってみなけりゃわからないんだ」
「お、おにいちゃん!」
「ここで悩んでいてもはじまらない。形がまっすぐでなくたっていいじゃないか。
まずは、カメラマンに会って話しを進めるんだ。
腕のいいバナナのカメラマン。あの人に会ってみろ。
どんな野菜も美味しそうに撮ってくれると評判だぞ」
「おにいちゃん、ありがとう!わたし、勇気がわいてきたわ」
背中を押されて、いんげんはやっと吹っ切れました。
「おまえの夢が叶うように応援してるぞ。ガンバレ」