今年も1ヵ月を切りました。
12月は落ち着きません。何から始めようかなと考えてるだけでなかなか行動に移せないのはいつものこと![]()
11月はたった4冊しか読めませんでした。タイトルだと3冊![]()
読んでいた本がなかなか読み進めず同じところをグダグダと眠たくなってついに挫折までが1週間![]()
ということで今月の読んだ本のアップです(少な
)
60)宮部みゆき著『名もなき毒』
杉村三郎シリーズ第2弾
めっちゃ面白かった。話の運びが気をそらさない、次のことが知りたくなるストーリーの巧妙さにどんなに長くても読めてしまう著者の力に脱帽![]()
古屋明俊が犬の散歩中に立ち寄ったコンビニで購入した紙パックのウーロン茶を飲んで青酸カリ中毒で死亡する事件で幕が開くこの物語。
一方、杉村三郎が勤める今多コンツェルン広報誌「あおぞら」編集室にアルバイト原田いずみが雇われやって来る。この原田いずみがめちゃくちゃなトラブルメーカーで振り回される編集室の面々。結局解雇されるのだが、そこからの原田いずみの逆襲が凄く、杉村三郎に向けられた悪意は家族にまで及ぶことに・・・。
杉村と妻菜穂子との結婚までのいきさつや、元警察官の探偵北見一郎との出会いからの古屋明俊の孫美智香との出会いなど盛りだくさんな内容が詰め込まれるが物語の面白さにどんどん引き込まれてしまう。
青酸カリをお茶パックに仕込んだ犯人がこんなところから出てくるのか?父親が語る原田いずみの嘘つき事件の凄惨な内容!義父が杉村三郎の何に菜穂子を託す気になったのかなどが織り込まれ、話に膨らみを持たせて飽きさせることなく読ませる。
面白い
夢中で読んでしまった![]()
61)谷津矢車著『洛中洛外画狂伝;狩野永徳』
狩野永徳が狩野源四郎と名乗っていた時の物語。
狩野家の長男として生まれ、狩野家の惣領となるべく生き方描き方を義務付けられる源四郎。しかしその才能がそれをヨシとしない。粉本通りを狩野のやり方とする父との確執。
描くことの意欲にほとばしる才能。それを気に入り自分の絵師として優遇する室町幕府第13代将軍足利義輝。彼からの依頼は“予の天下を描け”。そして出来上がったのが「洛中洛外図屏風」(上杉本)。
源四郎と将軍義輝の友情物語(絵師と将軍に友情は無いかもしれないが)として読んでも面白いと思った。
室町将軍として知っていたのは、義満・義政・義昭だけだった。義輝は 知らなかったが、何と魅力的な将軍だったことか!世に溢れているすべての勢力を認めたうえで共存を目指していた将軍。
狩野永徳と共に足利義輝の魅力に溢れた物語だった。
62) 63)宮部みゆき著『ペテロの葬列』上下
杉村三郎シリーズ第3弾
前作『名もなき毒』の事件から2年経過。
「あおぞら」編集室の面々も園田編集長と杉村三郎以外は様変わりした。
ことの始まりは退職した元取締役のインタビューの帰りに乗ったバスが一人の老人に乗っ取られたこと。その老人の自死で一応は解決した。杉村を含む人質6人も無事。しかしここからが本当の物語の始まりだった。
支払われた事件の慰謝料を巡って謎を追う三郎と人質の人たち。自死した老人の正体を追ううちその背後にあるマルチ商法に行きつく。
慰謝料を受け取ることで会社に辞表を提出する三郎。
また、妻菜穂子の不倫も分かり、会社も辞め菜穂子とも離婚。
不倫を認める菜穂子の言い草がとても腹立たしいものだった。
離婚に際し「私と結婚するためにあなたから取り上げたものを全部あなたの返したい」って!何様のつもりなの!
今多の娘でいることを前提で三郎と結婚した菜穂子。
三郎の気の良さと共に菜穂子のおおらかさが好きだと思っていたのに最後にこれはちょっとがっかりだった。
物語はすごく面白かったのに残念なエンドだった![]()