+ Colorful【森絵都】 | around the secret

+ Colorful【森絵都】

「ぼくは、ひとを殺したんだね」
 
自分視点の始まり方・・・・・・券売所のような、職安のような場所で周りを見回したり、少しふらつきながら歩く視界に引き込まれる。
 最近の作品だからか「生まれ変わるのもなんだか面倒くさいってゆーか」とか、自殺の動機が母親の不倫や初恋の人の援助交際だとか、リアルとゆーかセキララだ。どの世代の子が見に来るのだろう。

 プラプラの棒読みが、キノのエルメスみたいだ。ヘタウマじゃないが「棒読み」というジャンルってあるのだろうか。


 父子で釣りに行って、中学生らしく「僕は人間なんて嫌いだ」と嘯く主人公に「父さんも人間は嫌いだな」としみじみと返すシーンが面白い。


 プラプラの「フライドチキンと肉まんだけであんなに幸せそうに笑いあったり、よくわからないけど正直ちょっと羨ましいです。明日があるって良いものですね」がちょっと可哀想で可愛い。


 美化されずに、寧ろデフォルメされた女性キャラも容赦ない。
 ビッチの方は絵に描いたように中身のないフワフワしたビッチ、ブスでオタクっぽい(むしろ障害者が入ってそうな)方は最後の見せ場の笑い声までゾっとするほど気持ち悪くてイライラさせられた。吃り方といい宮崎あおい、演技上手いなぁと思った。


 それにしても主人公の真みたいに顔立ちが整ってて、一芸あって、普通体型でも苛められるものなのだろうか。