イライラ棒 棒だけ見つけ また保存
俳句で綴る、「私」と「時代」。『Shi語俳句の世界』、4回目の更新です。先々週更新できなかったこともあり、木曜に続いて早々と更新いたします。今回は皆様からの句を紹介するのはお休みし、「俳句」と「川柳」の違いについて取り扱ってみたいと思います。皆様の句は、また木曜に紹介していきますよ。
ワンコイン 今なら買える ミニ四駆
以前も紹介した、松田ひろむ『一番やさしい俳句再入門』(2008年、第三書簡)によると、「俳句は文学、川柳は非文学」だと述べています。「文学」でピンときた方はいらっしゃるかもしれません。とはいえ、川柳を非文学だとする表記は、それだけ見ると否定的な側面しか見えてこないかもしれないです。もうちょっと詳しく見てみましょう。
ノーパンには しゃぶしゃぶだという 取り合わせ
川柳のルーツは、江戸時代に柄井川柳の選んだ『誹風柳多留』とされています。その後、試みは「狂句」というジャンルとして江戸時代に流行していきました。実は「川柳」という名前として定着したのは明治時代になってからなのだそうです。「俳句」という名前も明治時代からでした。以前は「俳諧」というジャンルの中に両者も属しています。
「聞こえませーん」 周り全員 聞かせられ
「俳句」は季語がある、自然を詠む、文学だ。「川柳」は季語がない、人を詠む、滑稽だ。という分類は容易なはずです。「川柳」は「サラリーマン川柳」「猫川柳」などが代表されるように、万人の共感を得るものが優秀なのだと思います。「知」に訴えかけるのでしょうね。「俳句」は、万人ではなく、個人から発するものを大切にするという側面でしょうか。前述の松田は、「知」の対置として「情」に訴えかけると述べています。「ううむ」と感じました。
ミサンガも 古くて切れる 適齢期
そう考えると、「川柳」ではなく「俳句」で時代を彩った言葉を再構築させようというのです。皮肉を利かせるわけではないので、簡単には作れないかもな、と思います。それゆえに、「正解」がない投稿ページというのが作れるのかもしれません。
皆さんも「これはひねりがたりないな」とか思わず、内面から発せられるネタをどんどんとぶつけていただきたいと思います。ルールは5・7・5の形式をある程度守ることと、今回の「イライラ棒」「ノーパンしゃぶしゃぶ」「聞こえませーん(ルミ子)」「ミサンガ」のような、時代語を絡めてくださるだけです。 hagaki_night@yahoo.co.jp 「Shi語俳句」係まで。お待ちしていますよ。
次回は、木曜に定例更新します。