書籍『蒼翼の獅子たち』オフィシャルブログ -10ページ目

担当編集者今井さんのお話 その2「編集制作編」

質問)今回の本づくりで一番苦労された点をお聞かせください。

やはり原稿が出来上がってくるまでが一番ハラハラしました。
『蒼翼の獅子たち』は昨年の夏に企画が正式にスタート、脱稿予定は今年の5月末でした。志茂田先生は各地での「読み聞かせ隊」の活動や講演など、いつも多忙な方です。また今回の本は膨大な史料を読み込まなければならないテーマでもあります。
「期日までに書き上げて下さるかしら?」
実は内心不安でした。

期日から逆算すると年末までに執筆に入られるだろうと思い、12月ごろ先生にお尋ねしてみると、「まだ書いてない」。ならば年が明けてからなら大丈夫かしらとお尋ねしてみても、「まだ」。そんなことが二度三度あり、結局原稿用紙が真っ白のままアメリカへ取材旅行に赴くことになりました
4人の主人公たち縁の場所を訪ねて帰国したのが3月23日です。

ところが志茂田先生はここから猛ダッシュ。結局期日までに全文書き上げてしまったのです!しかも予定枚数をオーバーして600枚超。旺盛な執筆力に驚きました。

たぶんアメリカ取材前までに、資料は読みこなし、人物像を作り上げていて構成も先生の頭の中に出来上がっていたのでしょう。ですから2ヶ月で、この大作が完成したのだと思います。
しかし不安はつきまといます。4月の中旬で、200枚を超えたということを聞いたとき、もう大丈夫だと思いました。
原稿の催促はむずかしいものです。信頼はしていても、実際原稿を手にしないことには落ち着きません。やいやい言ってはうるさがられますし、また黙っていては張り合いのない奴だとおもわれます。そこで一計を案じました。
先生の事務所の秘書の方に、ときどき先生の今書いている原稿のノンブルを見てもらい、それを教えてもらうことにしました。
彼女の報告は、ぼくが予想していた枚数をいつも上回っていました