Kさんは一人娘でしたが、嫁いだので生家のS家はなくなりました。当然S家の土地も、嫁ぎ先のK家のものとなりました。あるときS家の先祖が出て、S家を潰したことと苦労した財産を他人にやったことを、大変怒って出たことがあります。これも同じ事で、S家の先祖の人によく話してやり、私達は魂の修行にきているのであって、財産や物のために生きているわけではないこと、またいろいろの事情で跡を継げないこともあること等をよく話してやると、明るいところに上がっている先祖なら納得してくれます。一番大切なことは、この世に執着心を持たないことです。


例⑪ K村家とK林家…先祖の争い


また数年前のことですが、次のような例もあります。四国に名家でK村という姓があります。もともとはK林と言う姓でしたが、戦国時代に功績が大きかったと徳川家よりK村という姓をもらい、その後もK村を名乗ってきました。ところが現在、今のご主人が、K村にはいろいろの問題があって困る、とご主人の代になり、K林という姓に戻りました。その後縁があって、私どものところで先祖供養の魂入れの行いをしましたが、その際K林時代の先祖とK村時代の先祖がそれぞれ、位牌に書くのはK林だK村だ、と争ったことがあります。仲を取って、K林K村家先祖代々の霊位と作りました。しかし後で神様は、それは良くない。K林が正しいのだ、と申されました。先祖とはこの様なものです。先祖にはいろいろの人がいるのです。