この事例では、亡くなった母親が暗い所に落ちていたので明るい場所に助け出しました。しかし、母親が残してきた一人息子に執着心を持ち続けていたため、再び暗いところに落ち、その子供に憑依しておりました。


大神「この者(子供)、その様に眠れぬ、脚に襲いかかるは、この者自身の身内の者であるのじゃ。待て。代わるぞ」


亡者「すみません。私はあやです。私があの子のそばにいるので、あの子が夢のようになるのです。私があの子の体に憑いているのです。私はあの子が可良想で可哀想で、心配しているんです。どうかあの子のことを私が思わなくても良いようにしてください」

 

加藤先生「どのようにするのが良いのですか」


亡者「あの子は、私がいなくて寂しいんです。だから私がそばにいてやっているんです」


加藤先生「分かりました。でも、あやさんがあの子のそばにいるのは、かえって困るのではないでしょうか。眠れない、眠れば脚が重くて困るとのことですので、そのように親の心は分かりますが、子供さんが可哀想だと思うのでしたら、あやさんが離れた方が良いのではないでしょうか。そうしないと、眠れなくてお子さんの体のためにも良くはないと思うのですが…」

 

亡者「そうですか。それは分かるけど、あの子のことが私は心配で仕方がないのです」


加藤先生「でもいくら思っても、今あやさんのいる場所と息子さんのいる場所は、まったく違う世界ですからね。息子さんにはお父さんがついているので大丈夫だから、もうその様にいつまでも思わずに、自分の修行の場に戻ってやってくださいね。それでないと、息子さんがもっともっと可哀想ですよ。取り憑いていたって、どうにもならないのでしょう。あやさんも今のままでは困るでしょう。

 

だから、子供さんのことはご主人に任せて、神様のところで修行をしてくださいね。これからすぐに私より神様に願わせていただいて、助けていただきますからね」


亡者「分かりました。すみません。どうもすみません」


加藤先生「では、今すぐお願いをするので、お待ちくださいね」


(ここで助ける)

 

亡者「ア、アアーーアー。ああ、良かった。良かった。とても暗かった。良かった。明るくなった。有り難い。有り難いです」


加藤先生「では、今から御位牌にいれていただきますからね」


亡者「すみません」


(ここで導く)

 

亡者「ああーあー。良かった。良かった。よく見える。私の家の中がよく見える」


加藤先生「良かったね。子供さんのことは、もう考えないでね。ご主人がいるのですから、ご主人に頼みましょうね。あやさんだって、思い過ぎて暗いところにいくのはいやでしょう。その様な寒くて暗くて見えないところはいやだと思いますよ。それよりも神様に頼んで、自分は修行するのが一番みんなのために良いことですよ」


亡者「分かりました。すみませんでした」


加藤先生「では、すぐに息子さんから離れてくださいね」


亡者「分かりました。離れます。すぐに離れます」


加藤先生「もう暗いところに落ちては駄目ですよ。自分も子供さんも困るだけですからね」

 

亡者「分かりました」


加藤先生「では頼みますよ」


亡者「ありがとうございました」