Relay〜杜の詩
2023年6月25日をもってして45周年を迎えたサザンオールスターズ。
7月から9月にかけて新曲を3つ世に放ち、最後を飾ったのが「Relay〜杜の詩」だ。
ラジオにて桑田佳祐氏本人からこの曲の歌詞について語られた。
全体的な内容としては「神宮外苑再開発」について書かれた歌詞であるとの事だ。
神宮外苑再開発
・神宮球場と秩父宮ラグビー場の位置を入れ替えて建て替え、二つの高層ビルを新築する計画
以上が「神宮外苑再開発」の概要であるが、それに伴う「樹木伐採」が現在、問題視されている。
これについて故・坂本龍一氏が見直しを求める旨の手紙を幾人かの関係者に送付したという。
サザンにとって
神宮外苑や渋谷近辺というのはサザンファンならば茅ヶ崎の次に「サザン所縁の地」として浮かぶのではないだろうか。
サザンオールスターズ結成の地 青山学院大学
所属レコード ビクターエンタテインメント
サザン14作目のアルバム キラーストリート
etc…
挙げればまだあるが彼らにとって、サザンオールスターズというバンドの故郷とも言える場所なのだろう。
そんなサザンを育ててきた景色が失われてしまうと知った桑田佳祐氏は我々よりも思う所があったのだろう。
Relay
前述の通り、故・坂本氏が樹木伐採を憂いていた知り、その地を愛する桑田氏は彼の意思を継ぎつつ、自身の想い歌うべく本楽曲に「Relay」と名付けたという。
神宮外苑再開発についての是非はここで語らない。
一概に是非の判断を下す事は出来ないからである。
本楽曲でも一度も再開発の否定を指している用語や文面は登場しないのだ。
この歌から受け取ったこと
誰もが1つは「思い出の景色」があるのではないだろうか。
学校、毎日歩いた通学路、友達と遊んだ公園や駄菓子屋、家族で行った旅行先、初デートした場所…
挙げればキリが無いが、そんな何気無い景色は100万ドルの夜景よりも心に刻まれていたりする。
家族と何度も足を運んだレストランがマンションに変わり、3年間友達と過ごした校舎が改築で綺麗になったりした時に「そんなもんか」と斜に構えた思いとは裏腹に「寂しさ」を覚えた自分がいる。
この歌を聴くと変わってしまったあの景色が頭によぎる。
まとめ
「Relay〜杜の詩」は正にそんな気持ちが込められた名曲だ。
この再開発に数えきれないほどの人が関わり簡単に是非を述べる事は出来ないが、桑田佳祐氏は「45年間、サザンを育ててくれた景色」を想って曲にしたと自分の経験から切実に感じる。
「馬鹿でごめんよ」というのはそれを端的に表しているんだ。
だからこそ僕は「一個人の想い」としてこの歌を受け取りたい。