「アリスの館へようこそ!」
にっこりと微笑んでアリスが両手を広げて出迎えた。
「何がアリスの館よ。ここはメアリーばあちゃんの家じゃないの」
ヴィクトリアが答える。
「そのうえ、クレイジーハウスだわ」
お玉も続ける。
「あの、これからお世話になるんですよ。もう少し謙虚になりましょうよ」
ウィンター一人がオタオタしている。
その時背後から白髪の上品な老婦人が現れた。
「アリス、居間にお茶の仕度ができているからみなさんに寛いでいただきましょう」
やさしそうな笑顔で老婦人がチビ猫たちを見つめた。
「ばあちゃん、僕ソウっていうの。しばらく泊めてね」
「ぼくはマルコです。どうぞよろしく」
男の子たちは一目で老婦人が気に入った。
もちろんヴィクトリアもお玉もメアリーばあちゃんが大好きだ。
お茶は豪華だった。
きゅうりの薄いサンドイッチにフルーツたっぷりのダンディケーキ。
濃い目の紅茶は旅の疲れも吹き飛ぶようだ。
「あんたたち、4月の末に来たのは大正解よ」
アリスが思わせぶりに言いながらきゅうりのサンドイッチをぱくついた。
「なにかあるわけ?」
ヴとィクトリアお玉がこれまたきゅうりのサンドイッチを口に咥えて聞いた。
5月1日にはベルテーンの祭りがある。
その祭りはケルト民族の到来より古くからのものだ。
女神の石が子供を生む。
その後女神の石は1年間祭司が保管するのだ。
アリスの家はクレイヴァ・ケインに囲まれているだけにベルテーンの祭りでは影響を受ける。
「猫族はセカンド・サイトを生まれつき持ってるからね」
口をモグモグさせながらマルコ。
手はもう次のサンドイッチに伸びている。
セカンド・サイトとは霊感的な資質による目のことだ。
猫族は幽霊がよく見える。
もちろん、猫族でもその力には強弱がある。
ソウなどはあまり見えない。
それでも人間よりは感じる事ができる。
だまって話を聞きながらウィンターは胃が痛くなる草太郎の気持ちがよくわかった。
メアリーばあちゃんはほほえみながらお茶を飲んでる。
品のよい穏かな老婦人だ。、
そのメアリーばあちゃんがニコニコしながらチビ猫たちにつげた。
「みなさん、ありがとうね。これだけたくさん猫族がいれば誰か一人くらいは女神の石も気に入ってくれるわ」
「ど、どういうこと?ばあちゃん・・・」
ソウが聞き返す。
「あら、女神に石の生贄になりにここまで来てくれたのでしょう?」
メアリーばあちゃんは微笑を浮かべたまま怖い事を言う。
えっ!!
ウィンターまでが椅子を引き倒さんばかりに驚いている。
「そうなのよ、女神の石は子猫が大好きなの」
アリスも意地悪く付け足した。
「それも男の子がすきなのよね。あいにくこの家にはアタシしかいないわけよ」
まだアリスはきゅうりのサンドイッチを食べながら紅茶を飲んでいる。
ヴィクトリアとお玉は顔を見合わせて食べるのをやめた。
「食われちゃうかもね~~~」
メアリーばあちゃんとアリスが声を揃えて言った。
それから2人ともソウとマルコをみて大爆笑だ。
「ああ、おかしい!私らはそれほど非情じゃないよ。女神は子猫が大好きだけどね」
いきなり上品な老婦人は消えた。
キラキラと生命力にあふれたいたづらっぽいばあさんが現れたのだ。
「ああ、上品なばあさんを装うのもらくじゃないね。でも楽しかったよ。さあ、これで本性で楽しめる」
そういえば長いことあってなかったけどメアリーばあちゃんはとんでもないばあさんだったとウィンターは思い出した。
ヤレヤレ、僕はこれからどうなるのだろう?
大人だって泣きたいよ。
ウィンターはまたズンと胃が重くなった。
ウィンターの心配をよそにチビ猫たちは大騒ぎだ。
食われるんじゃないかと恐怖に顔を引きつらせた事など一瞬にして忘れたらしい。
ひっそりと小桃がくちをはさんだ。
「あの、私は小桃といいます。ご挨拶が遅れまして申し訳ございません。昔の衣装を見せていただけ嬉しいです」
小桃はいつまでたっても紹介してくれないお玉たちを横目で睨みつけながら挨拶した。
「なんてキチンとご挨拶のできるお子だろう!もちろんご自由に衣装を見てちょうだいな」
メアリーばあちゃんはひどく感心している。
小桃は猫かぶりがうまいのよ。
もっとも世阿弥じーちゃんの躾がいいんだろうけどね。
でも私たちは王族だからお行儀なんて人がおおめにみてくれるのよ。
下々は頑張らないとね。
お玉とヴィクトリアは意地悪く考えていた。
マルコも王子様でお玉の婚約者だが男の子たちはなんにも感じない。
その時、ウィンターの携帯が鳴った。
国際電話に切り替えてある。
「もしも~し、ウィンター?お蘭よ。着いたの?」
「お蘭さん、まさかもう来る気じゃないでしょうね?」
「まだよ、そっちと8時間くらい時間がずれてるから日が落ちなきゃ。でもあとで行くからね」
チビ猫たちの耳がプクピクしている。
「わ~い、お蘭が来るんだぁ!」
「でもどうやって?」
「この間みたいにアラブの王様の自家用ジェットかしら?」
電話を切ってウィンターがチビ猫達を見た。
「お蘭さんもさくらさんも草太郎さんも時々来ます。君達を監視に来るんです」
「なんだぁ、ちっとも大丈夫!こわくないや」
ソウがなめきったように紅茶を一口飲んだ。
「モモコさんも来るんですよ」
ギャッとどこからともなく悲鳴が上がった。
思念戦士のモモコはおそろしいのだ。
たぶん、猫族最強の思念派の使い手だ。
チビ猫たちが言うことをきかなければ問答無用で頭をしめつけられる。
「一日のうち2時間くらいですが日本の仲間を呼んでもよろしいですか?先に伺うべきだったのですが、内緒にしておきたかったので」
ウィンターが聞いた。
「もちろん、大歓迎ですよ。たくさんきてほしいからね。ベルテーンの祭りはにぎやかになるよ」
メアリーばあちゃんは大喜びだ。
ウィンターもモモコの名前でチビ猫たちが大人しくなって嬉しかった。
このチビたちを震え上がらせるモモコも恋人の守谷にはすごく可愛らしい態度である。
女って不思議だなとウィンターは思う。
小さい時からヴィクトリアのお守り役のウィンターにはヴィクトリアの事さえ時々わからないのだ。
いつでも言いなりになって仕えている。
ドンドンと大きなノックの音がした。
「誰か来た見たい」
アリスが玄関に走っていく。
「きっとシャナよ」
お玉とヴィクトリアと小桃も一緒に玄関に向かった。
「こんにちわ~~」
でっかい声で叫んでいるのはやはりシャナだった。
キルトの研究でエディンバラに留学中のシャナは大荷物を抱えてやってきた。
「はじめまして!」
アリスにあいさつもそこそこにお玉とシャナと小桃とヴィクトリアは抱き合って久しぶりの再会に大興奮だ。
やっとみなの揃っている居間に行ってまたマルコやソウと賑やかに再会を喜び合った。
大荷物の中からシャナはメアリーばあちゃんとアリスにタータンチェックの肩掛けを取りだした。
「まだあんまり複雑なのは織れないの。でもこれ私の手織りです」
「あらまあ、タータンは大好きなのよ。オリジナル?嬉しいねぇ」
メアリーばあちゃんは嬉しそうに肩掛けに頬をあてた。
アリスはあまり興味もなさそうだったけれどその分、メアリーばあちゃんが喜んでいた。
バタタ~ン!!
家中に響くような大音響で館の中のどこかのドアが開いた。
猫族たちは全員、いやメアリーばあちゃんとアリスをのぞいて全員が飛び上がった。
「さあ、戦闘開始の合図だよ」
メアリーばあちゃんが思わせぶりに微笑んだ。仲間を呼んでもよろしいですか?先に伺うべきだったのですが、内緒にしておきたかったので」
ウィンターが聞いた。
「もちろん、大歓迎ですよ。たくさんきてほしいからね。ベルテーンの祭りはにぎやかになるよ」
メアリーばあちゃんは大喜びだ。
ウィンターもモモコの名前でチビ猫たちが大人しくなって嬉しかった。
このチビたちを震え上がらせるモモコも恋人の守谷にはすごく可愛らしい態度である。
女って不思議だなとウィンターは思う。
小さい時からヴィクトリアのお守り役のウィンターにはヴィクトリアの事さえ時々わからないのだ。
いつでも言いなりになって仕えている。
ドンドンと大きなノックの音がした。
「誰か来た見たい」
アリスが玄関に走っていく。
「きっとシャナよ」
お玉とヴィクトリアと小桃も一緒に玄関に向かった。
「こんにちわ~~」
でっかい声で叫んでいるのはやはりシャナだった。
キルトの研究でエディンバラに留学中のシャナは大荷物を抱えてやってきた。
「はじめまして!」
アリスにあいさつもそこそこにお玉とシャナと小桃とヴィクトリアは抱き合って久しぶりの再会に大興奮だ。
やっとみなの揃っている居間に行ってまたマルコやソウと賑やかに再会を喜び合った。
大荷物の中からシャナはメアリーばあちゃんとアリスにタータンチェックの肩掛けを取りだした。
「まだあんまり複雑なのは織れないの。でもこれ私の手織りです」
「あらまあ、タータンは大好きなのよ。オリジナル?嬉しいねぇ」
メアリーばあちゃんは嬉しそうに肩掛けに頬をあてた。
アリスはあまり興味もなさそうだったけれどその分、メアリーばあちゃんが喜んでいた。
バタタ~ン!!
家中に響くような大音響で館の中のどこかのドアが開いた。
猫族たちは全員、いやメアリーばあちゃんとアリスをのぞいて全員が飛び上がった。
「さあ、戦闘開始の合図だよ」
メアリーばあちゃんが思わせぶりに微笑んだ。