暗い出来事ばかりが連続して起こり続けた人生を歩んできた場合、潜在意識は、暗いことを考えている方が安心してしまうという、不毛な習慣を獲得してしまう。40数年余りも無数に繰り返し強化してきたことを、一気に変えることはできない。

 

 だからこそ、とても大変で苦労するけれど、自分の心を、必要以上にネガティブな方向へと運ぶ妄想を少しずつ辞めていく習慣が必要だ。

 

 嫌な出来事はもうこれ以上、起きてほしくないのに、ずっとぐるぐると反芻思考してしまう。

 

 それは、起きた出来事を受け入れられず、心が抵抗しているとも言えるけれど(激しい情動はトラウマ反応)逆説的に言うと、その問題を愛して育んでしまっている状態で、心身共に良い状態ではない。また、さらに同じような嫌な出来事をせっせと脳内で創り出してしまい、それが現実に現れる。

 

 自ら、火に油を何度も投下して燃え上がらせることで、エネルギーを消耗していくだけなんだけど、良いことが叶った経験が、嫌な経験より遥かに少ないから、自分の現実は、悪いものが継続し続ける、という不安を常に抱いてしまう。

 

 けれど、自分の現在地を知って、方向転換すると決めた時点から、赤ちゃんの歩みでも、少しずつ事態は水面下で好転しているのは感じる。

 

 嫌な事ばっかりなのが当たり前の日々から、時々良いことも混じるようになり、たまに起きた嫌な出来事でずっしりと沈むけれど、気分が浮上してくる時間も短くなってきた。

 

 嫌な出来事に対する反応を変えるのは、まだけっこう難しい。それでも、少しずつ、嫌なことが起こるに違いない、という思い込みを、たまたま悪いことが起きただけ、と捉える方向へ徐々にスライドしていき、これからは、良いことがどんな状態の時だって起こる、に変えられたら、その現実がやってくるのではないか?

 

 ー捉え方、解釈の仕方で、沸き起こる感情も変わるー

 

 よくスピリチュアルで言われる言葉。考え方を変え、良きことを考えなさい。恨む相手を許しなさい。等々、数え上げたらきりがない。

 

 正論だけど、自分の心が葛藤、抵抗し、そうできない時に、無理に、「そうしなければならない」と、自分を強制しようとしている時点で、その格言はまだ、その人にとっては有効ではない。むしろ害になるし、逆効果。

 

 ー親を赦しなさい。親だって被害者なのだからー

 

 確かに、世代間連鎖しているので、そうなんだけど、だからといって、親がしたことを肯定することはできない。

 

 恨む気持ちが出るのは当然のことだし、親を恨み切る、という過程をすっ飛ばして、親を赦せない自分の心を踏みにじって、親を赦さなければいけない、と思い込むのは、傷口に塩を大量に塗って、傷口をさらに大きく、ひどくさせるだけ。

 

 苦しい、悲しい、歯がゆい、悔しい、怒りが湧く。

 

 その自分の気持ちこそ、大切にすることが大前提で、アダルトチルドレン回復の優先順位は、自分の気持ちを、もうなかっとことにしないで、しっかりと受け止め大切に扱い、どんな気持ちも何の躊躇いもなく、表現できるようになること。それが精神的な成熟に必要不可欠。

 

 他者の言動に怒りが湧く、という現象も、もう抑えられなくなった怒りが容量一杯で爆発するから。

 

 それは、決して肯定できることではないけれど、まずは、「怒ってはいけない」と自分の心を抑えつけていたことを認めて、安心安全な場所で、不当な事にはしっかりと怒りを、「適切に」表現することを学び直していく、これも境界線確立の為に、大事なステップ。

 

 世の中には、たくさんの娯楽のテーマパークがあるけれど、怒りや悲しみなどを健全に身体の外に排出する施設があったら、繁盛すると思うし、事件や犯罪も多少減少するのでは?

 

 ボクシングとか、もぐらたたき、とかしたら、すっきりするかもしれない。怒りを健全な形で出すには、身体を動かす、瞑想するなど、自分に合うものを試してみる。

 

 いろいろなサービスの質も低下している昨今。ネットが当たり前で育った、感覚の違う若者世代の、不可解な言動にも頭をもたげる。そして、抑えきれなくなった怒りの感情一杯のアダルトチルドレンの大人達。

 

 世代によって悩みの種類や状況は違っても、自分の心を、どうやったら幸せな方向に持っていけるか、それがわからなくて、皆悩んでいるのではないか?

 

 (今現在、幸せに生きている人は、どうぞそのまま、貫いてください)

 

 良い感情に浸るアイテムを見つける。人生で達成したことを叶えるために、ドリームマップを作ってみたり、心が安定する趣味や習慣を持ったり、充実した朝活をやってみたり、習慣になるまでは大変だけれど、いろいろ試してやってみるしかない。

 

 (今は、旅行雑誌を見るのが、唯一の気晴らし。インバウンドにもうんざりしている。日本人が日本の良さを堪能できる環境を取り戻したい。)

 

 どうすれば、自分の心が喜ぶのか、よくわからなくて、悶々と、時間を無駄に過ごしてしまうのを、少しずつでいいから変えてみる。退屈マンネリな時間を、心が潤う時間への変換。

 

 良いことが起こることを待つのではなく、「今日は素晴らしい一日だった」と感じる一日にするために、小さな行動をやってみよう。

 

 日本を良くするためには、まずは自分の心をよくすることから、始めるしかない。