「洗脳」や「支配」という言葉を聞くと、非常に恐ろしくて、おどろおどろしいものをイメージされるのではないでしょうか。

 

 私もその一人でしたが、自分の実際の経験を通して、その捉え方は大きく変わりました。

 

 「洗脳」や「支配」は、かつてのオウム真理教のように、異常な宗教の中だけで生じる特殊なものではありません。密室性がある程度保たれ、そこに権威者と、上下関係の間柄になる者がいれば、どこにでも起こり得るものです。

 

 親と子、教師と生徒、コーチと弟子、上司と部下、などなど。

 

 この場合でいう、親や教師、コーチ、上司になる人が、意識して、対等な関係を保つ姿勢や工夫(相手の意思や感情も尊重すること、意見が対立する場合は、対話で擦り合わせをしていくこと)を実践しなければ、簡単に上下関係になり、関係が固定化すれば支配は生じ、その際、呪いの言葉を繰り返しかけたり、態度で示せば、洗脳もできあがります。

 

 親とのコミュニケーションの一環として、対話で解決していくことを経験として、学ぶことができなかった人は、対話をする、という術を知りません。自分の意見だけを一方的に押し付け、従わせようとしてしまうこともあるでしょう。

 

 親と上下関係にある人は、親以外の人とも、成立するのは、親と同じような依存や上下関係になります(自分が下になるか、上になるか、のどちらかになります)人との関係の構築の仕方は、最初に接した親との間で習得した方法を再現します(その方法しか習得していないので)

 

 友達とも良好な関係を築ける人は、親から対等に扱われた人です。

 

 自分の気持ちを適切に伝え、意思を表明し、親が良く思わないような意見でさえ、はっきりと主張することができ、意見が合わない場合は、双方の気持ちや意見を共有し、落としどころを見つけ、対話ができているのです。

 

 最近、暴力事件が多発していて、とても悲しい気持ちになります(私は、エンパス気質なので、気持ち悪くなります)

事件の内容が、欧米化してきて、また年齢もかなり下がってきています。

 

 後先考えずに暴力を簡単にしてしまう、ということは、抱えていられない程の大きな怒りを感じている人が潜在的に多く、その感情の処理の仕方がわからず、捌け口を欲している、また、暴力をしない対話ができない人も増えています。

 

 コロナ以降、サービスの質も著しく低下していく一方です。インバウンドも年々増え続け、円安は止まりません。治安も悪化しており、綺麗に保たれていた、あらゆる場所が、乱されています。マナーを守れない人も多いですね。

 

 若者が話す言葉は、短縮語、暗号のような乱れた言葉を雑に扱う人が増えているのも、非常に残念です。

 

 日本には、繊細に詳細に語る良い言葉がたくさんあるのに、それすら知らない人が多い。日本語を学校できちんと学んだ、移住している外国人の方が、よっぽど博識で、綺麗な日本語を話します。

 

 古き良き日本の良い所が、至る所で壊れてきているように感じます。慎ましやかで、諸外国にはない素晴らしい良き習慣、マナー、人間性は、どこにいってしまったのでしょう。

 

 話がやや逸れましたが、日本での犯罪が悪化している根底にあるのは、親と子の関係性の不健全さにあるような気がします。(組織の在り方も大いに問題あります)

 

 不遇な家庭環境に生きたとしても、皆が皆、犯罪を起こすわけではありません。

 

 親に溺愛されようが、暴力を振るわれようが、精悍にたくましく、立派に生きている人達は、たくさんいます。

 

 とはいえ、生きていく上で根っこの部分は、とても大事なのです。

 

 世の中にはいろんな人がいて、それぞれ個々の事情も背景もあります。結婚して、子ができて、物理的に親になったとしても、それだけで、健全な親になれるわけではありません。

 

 不登校が年々増加していることも、こうした原因も影響しているように思います(もちろん、教育の在り方や他の問題の場合もあります)

 

 巷で起きる事件より、家庭内や学校で起きることは過小評価され、問題であるとすら認識されなかったり、問題だったとしてもなかったことにする傾向がとても強いですね。

 

 家庭内で起きようが、学校だろうが、暴力や恐喝などがあれば、それは、立派な犯罪であり、組織内で解決する問題ではなく、警察の出番です。そこの線引きがとても緩い気がします。

 

 血縁者がすること、学校で起きることは、どんなにNGなことでも、なぜか許可されてしまうパラドックス。

 

 洗脳や支配は、あらゆるところで、簡単に起きるのです。それを黙認することは、認めていることと同じなのです。いじめも、いじめという言葉すら、もう無くした方が良いです。

 

 低年齢であろうが、しっかり警察が関わるべきです。そうならないのは、組織内で隠ぺいしようとする人達が多く存在するからです。

 

 洗脳や支配は、人の心を崩壊させます。続けば続くほど、心は壊れていきます。

 

 心は目に見えないけれど、確かに痛みや苦しみを感じるのです。身体にできた傷は時が経てば、治りますが、心はそう簡単には戻りません。

 

 視覚化することができない心を、ひとりひとりが冷静に見つめ直す。そんな視点を持ってほしいです。

 

 あなたの心に負傷した部分が、少なからずあるはずです。

 

 膿があったり、打撲していたり、傷が治りかけていても、そこにまた再度、衝撃が加わって傷口が開いたり、流血し続けている所があったりするのです。あなたの心に、骨折している所は、ありませんか?

 

 私のような母娘共依存、両親過干渉の場合は、身体に傷はできません。

 

 でも、強固にパターン化した支配や洗脳状態になり、日々繰り返される、心無い言葉や言動によって、(「優しい暴力」と言われますね)心をサンドバッグ代わりに、長年、それが異常とさえもわからないまま、私の心はズタズタになりました。

 

 どんな傷であれ、それを癒すのは、あなた自身にしかできません。

 

 苦しい気持ちは、あなたの心に傷があること、助けてほしいという、真のあなたからの訴えです。その声を無視しないでください。あなたを蔑ろにしているのは、あなた自身なのです。

 

 本当は、あなたを蔑ろにしていることを、真のあなたが悲しみ怒っているのです。