このタイトルを聞いて、ピンとくる方はいますか?
これは、娘が母を殺した事件の実録を綴った本のタイトルです。母から教育、暴力虐待されながら、なりたくもない医師になることを強要され、医学部を9浪した娘が起こした事件です。
共感しすぎて、この本を詳細には全部読めないのですが、このような立場にある娘が、どうやったら親を殺すという選択をせずに、無事脱出することができるのか?というテーマを私は常々考えています。
事件を起こした娘は、何度も家出を決行していました。しかし、母は探偵を使って、見つけ出します。事の重大さを周囲の人は誰一人として理解しない状況下では、家に引き戻されてしまうだけなのです。
頼れる人がいません。まさに牢獄です。
別居していた父親には、助けを求めたのでしょうか?求めたとしても、何もしてくれなかったのではないでしょうか。
そのような暴走する妻から、ありとあらゆる方法を使って、わが娘を救える英雄のような、立派な父は、残念ながら現実には、なかなかいません。
大抵は、そんな妻を制御できずに別れるか、黙認するかのどちらかです。だからと言って、放置して良い案件だとは、私はとても思えません。
精神的にもしっかりと自立を果たしている父親であるならば、そもそも、そのような母親を妻に選ぶことはありません。
万が一選んだとしても、しっかりと子を守る対策を取り、子を自分の牢獄へと閉じ込める母と話し合いの場を持ち、話し合いで解決できない場合は、母が子に決して近づくことが出来ないように、子の為に離婚する道を選ぶでしょう。
しかし、夫婦の関係性も、鏡なのです。一方がACならば、他方も問題を抱えた人である可能性が高くなります。凹凸のパズルがピタッとはまるように、無意識に引き寄せあってしまいます。
だから、唯一頼れる存在であるはずの父親さえ、味方とは言い難いのです。
私もそのような思いをたくさん味わいました。私は教育、暴力虐待ではありませんが、母という牢獄下にいた事実としては一緒です。
自分自身が洗脳から解け、心の回復をしながら自分に対する理解が深まる度に、湧いてきた疑問のひとつが「なぜ、父は私を守ってくれなかったのだろう?」でした。
「どうして、父は愛する私や兄を、母という呪縛、牢獄に放り投げたのか?蟻地獄の中で、もがき苦しむ我が子の心の叫びがきこえなかっただろうか?」と。暴走した母を止めることが出来る存在は、父しかいないのに…。
でも、父もACなのです。生きながらに心が死んでいる状態なのです。だから、子が本当に求めている願いを感じることが出来ません。
ACの自覚さえない、無意識に生きている親を、どうにかして改心させることは残念ながらできません。問題意識を持てない親からは、脱出するしかないのです。
娘が通報できたなら?でも、その後の報復が目に見えているから、できません。
スマホなどで動画や音声をとり、ネット上に流失させる?どこまで有効でしょうか。流失させるなら、一回だけではなく、ある程度の回数、期間がわかるものであった方が望ましいでしょう。一度公表したら、次は確実に阻止されるからです。でも、公にするということが、ひとつのカギのような気がします。
そのような親は、世間体にとても敏感ですから、一定の効果はあります。いつでも明るみに出せるように、記録しておいた方が良いです。
日記でもなんでもいいです。その記録は、自分の心を回復していく上でも、役に立つと思います。告発するとか、そういうことよりも、自分の心を救い出し、回復させていく為、辛い環境下で、必死に歯を食いしばって、頑張ってきた、悲しみに満ちた自分の心を認め、抱きしめてあげてほしいのです。
あなたを救えるのは、本当の意味では、あなただけ。あなたの為に、全精力を上げて、自分を救い出すという決意と覚悟を持ちましょう。闇に閉ざされたように見えても、必ずどこかに光は見えてきます。
深い闇を味わったあなたは、それ以上の光を味わい尽くしてから、あの世へと還りましょう。どうか闇に負けないで。ACとしての、思考癖や制限、思い込みを持ったままのあなたでも、心を焼き尽くしながら、必死に生きてきたんです。
そんな自分をあなた自身が抱きしめることから、始めましょう。心の中の裁判官はいりません。それは、洗脳下で身に着けただけのものだから。
家庭内の闇、学校内の闇、社会の闇も、明るみにしなければ、闇が食い止められることなく、続いてしまいます。
警察、司法、行政が、家庭、学校などの小さなコミュニティにも積極的に介入していくべきでしょうが、仕事量が圧倒的に増えて、収拾がつかなくなるので、そう簡単には進まないかもしれません。
子が逃げ込むことができるシェルターのような場所と人が必要です。
そこで、一定期間厳重に守り、心の修復を図りながら、行政や司法が、親として適切なのか判断し、不適切な場合は、指導、警告を発したうえ、改善がなければ、良心的で、子であっても一人の人間として対等、公平、尊重する、適切な里親へと引き継いでいけるようなシステムが必要です。
社会を変えていくには、一人一人の小さな行動から始めるしかありません。
失望するだけで黙認していては、国民の血税が、本来使われるべきところに使われない状態が続いていくように、結果はどうであれ、投票して意思の一票を投げかけることが、大事な時期に差し掛かっています。
世界を変えていくには、小さな一歩から。毒親に苦しむあなたも、脱出に向かって、歩を進めていきましょう。