父は、とても不器用な人

 

 愛情表現は、子どもに何でも構うこと

 

 なんでも優しく教えてあげることが愛だと思っていた

 

 そのことが、子を苦しめている

 

 子の尊厳を踏みにじっている

 

 そんな風には、微塵にも考えてなかった

 

 健全な愛を親に示してもらえなかったから

 

 健全に子どもを愛する術を知らなかった

 

 成人式の前撮り 

 

 綺麗に化粧をしてもらい、立派な着物を着て

 

 プロに写真を撮ってもらう私の姿を見て

 

 涙を流す父の目に

 

 嘘偽りはなかった

 

 確かに 子に対する 深い深い愛情がそこにあった

 

 父は父なりに 一生懸命だった

 

 私は苦しかったけれど

 

 父の不器用な愛に 心からありがとう