過酷な機能不全家族を生き抜いた私に、神様はきちんと、味方というご褒美を準備していてくれたと思っている。それは、夫との出会い、結婚だった。共依存が最初の出発点だった私は、自己肯定感も海底レベル、自分に対する自信もなく、でも心の奥底で、満たされない思いを持ち続けているので、恋愛も依存傾向が強く、相手に一体化してしまい、結果的にいつも上手くいかなかった。

 


 職場環境、人間関係の悪化から、うつになり、休職に追い込まれた時、「私は、この私でいいの!」と開き直れた。人生で初めて、私は、この私でいいのだ!と自分を認める最初の気づき、というか、何の根拠もないけど、揺るがない強い確信がやってきた。そしたら、今まで心の中にあった、なんだかわけのわからない、いい加減な条件というか、ステータスとか、地位や職業とか、外見の好みなど、どうでもよくなって、私の中から崩壊した。ただ、心の感覚だけを大切にした。

 

 

 その後に、出会ったのが夫だった。今でも不思議だけれど、初めて相手に依存しなかった。お互いの人格を尊重でき、それでいて、自分の意見も何のためらいもなく、自然体で言える対等な関係。こんな経験が人生で初めてのことだった。自然体なんだけど、心地よい楽な安心できる関係。こんな関係を家族以外、いや家族以上に安心できる人と築けるなんて、という驚きだった。

 

 

 夫は自分の意見は優しくはっきりと言うが、押し付けることは絶対にない。私の意見も必ず聞いてくれる。意見が違う時は、お互いによく話し合う。「どう思っている?」「○○○(=私の名前)のしたいようにしていいんだよ」と、いつも優しく話してくれる夫。私のしたいようにさせてくれる、ということが初めての経験だった。私が大事にされているという感覚。じんわりと心の中が、いつまでも温かく、まるで、心地よいお気に入りの温泉にずっと浸かっているようなリラックス感。涙が溢れ出た。私がつらくて涙を流す時も、そばで優しく見守ってくれる。一人ではないんだという安心感。心強さ。とてつもなく深くて太い揺るぎない、唯一無二の絆。

 

 

 そんなスペシャルな夫と、毎日を過ごせることが、今は何よりも幸せだ。