カウンセリングを受けるようになり、対話を重ねていく毎に、

心の奥深くに固く封印していた様々な感情が、とめどなく溢れてきた。

自分でも、こんなに怒りをため込んでいたなんて、驚くばかりだった。

 

 C:「あなたが怒りやすいのは、

   心の中に、沢山の怒りや悲しみを抱えてきて

   もう容量がいっぱいになってしまって、

   その感情が出口を求めて刺激してくるからです。」

 

   「本来のあなたは、むやみやたらに怒る人ではありません。

    優しいからこそ、たくさんの怒りをため込んできました。」

 

 

 思ってもみない話で、最初はどう捉えていいのかわからなかったけれど

話を聞いてもらうたびに、涙が溢れ、腑に落ちた。

それと同時に、心の中に安堵感がじわじわと広がっていった。

 

 

 私が原因ではないのだと、安心した。

ずっと私がどこかおかしいのだと思い込んで、自分を納得させてきた。

 

 

 日常の些細な出来事に感情が振り回され、いつもへとへとだった。

どうして小さなことにも怒りが湧いてくるのか、不思議で

またそんな自分のことが大嫌いだった。

私は、心の狭い人間なんだと、自分に失望していた。

 

 親を含め、周りの人達からも、そんな私に対して呆れるような発言もあった。

決して強い口調ではないけど、「そんなんじゃ世の中渡っていけないわよ」とか

「怒るほどのことじゃない。すぐに感情を表情に出す。それは損なことだ」とか。

 

 深く傷ついていた。好きで感情が溢れてくるわけじゃない。

私にとって、それはどうしようもできないことだったからだ。

どんなに気を付けようと思ってもできないことだった。

 

 

 怒る、という行為を、好きでやる人がいるのだろうか?

まれに怒ることが大好きな人もいるかもしれない。

でも、多くの人は、怒りたくないけど、怒ってしまうのではないだろうか。

 

 

 心理学では、怒る人は、たくさんの癒すべき感情を抱えた人、と捉えるらしい。

「怒り」は、その人が持っている、癒す感情の在り処を教えてくれる大事な感情。

私は、この言葉にとても納得した。まさに私自身がそうだったから。

 

 

 怒る人は、もう容量が一杯になって癒すべき感情が溢れ出てしまう人。

そう思うと、その人自身どうしようもできない思いを抱えながら、必死に生きているのだと思えるのです。