■ 買戻し
売買契約を締結する際に、売主が一定期間内に売買代価と契約費用を返還すれば、目的物を取り戻せる旨を約束することで、解除権を留保した売買である。民法においては、不動産についてだけ買戻しを認めている。
この制度は、不動産に限られること(579条)、
代金が「支払った代金と契約費用」に法定されていること(579条)、
期間が10.年と法定されていること(580条)、
登記しなければならないこと(581条1項)から
あまり利用されていない。
* 第579条
(買戻しの特約)
不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約により、買主が支払った代金及び契約の費用を返還して、売買の解除をすることができる。この場合において、当事者が別段の意思を表示しなかったときは、不動産の果実と代金の利息とは相殺したものとみなされる。
■ 譲渡担保
動産を債権の担保とする場合、不動産とは異なり抵当権が設定できず、質権しか用いることができない。
しかし、質権では抵当権と異なり、担保の占有権を質権設定者から質権者に移す必要があるため、担保の目的物を担保設定者が継続して使用することができない。
この場合、譲渡担保を用いれば、所有権を担保権者に移転しつつ、担保権者が担保設定者に担保の目的物を賃貸(賃料が利息に相当する)することで、動産においても抵当権類似の担保を設定することができる。
譲渡担保の具体例としては、工場の機械を担保に入れて金を借りる場合などがある(もちろん機械は工場側が従来どおり使い続けることができる)。
また、土地などの不動産を担保とする場合、抵当権においては実行手続が煩雑となる(強制執行からの換価処分が原則である)ことから、譲渡担保により簡便な方法(担保物の取得)によって優先弁済を受けることができるというメリットがある。
■ 仮登記担保
質については質流れが民法で禁じられているのに対し、抵当権についてはこのような目的物そのものを競売によらずしてそのまま担保権者の所有に移す清算方法(抵当流れ)も許容されると解される点に沿革的な根拠がある。
その実現方法として、被担保債権の弁済期が到来した時に債務者が債務を履行できないといったときに代わりに当該不動産を引き渡すことによって弁済するという代物弁済(ないし停止条件付き代物弁済)の契約を仮登記するという法技術によるわけである。
仮登記担保は慣習や判例によって形成された制度であるが、前述のように今日では仮登記担保法が制定されている。
・譲渡担保との関係
譲渡担保によって弁済期が到来する前から担保のために所有権を債権者に譲渡するということによっても同様の目的を達することはできる。
しかし、所有権を移転するという場合、本登記によらなければならずその登録免許税は極めて高価であるし、債務者自身にとっても債務不履行を起こさないうちから所有権を移転させなければならないというのは不利益である。そこでその不都合を解消しつつ、登録免許税もより安価な仮登記によるという方法が考案された。
抵当権設定による通常の債権担保の方法によれば、当該不動産を競売にかけて売却し、その代金の中から債務弁済(非担保債権額と債務不履行から2年間の利息)に充てることになり、当該不動産の評価額が債務者の債務額を上回るのであればその代金は債務者に清算されるし、他に債権者がいる場合であれば各々の債権順位に基づき配当がなされる。
これに対し、仮登記担保は代物弁済によって債権者による当該不動産の丸取りを認める非常に強い効力を持ち、代物弁済では債権の利息・損害金について優先弁済を認められかつ担保目的物たる不動産の価格が担保する債務額を大幅に上回っていることも少なくないため債務者・第三債権者との関係で暴利行為として不均衡になると問題視され、解釈による様々な制限方法が議論された。
結局、判例により債権者の清算義務や債務者の受戻権が解釈上認められるようになり、最終的には立法的な解決が必要となり仮登記担保法が制定されたことで債権者にとって仮登記担保を使うメリットがなくなったためほとんど使われることが無くなったといわれる。

