2018年度に入り、京成電鉄車両  2017年度の車両動向をまとめてみることに。

 

 

① 新造車& 運用離脱車

2017年度の事業計画は3000形8両編成3本新造し 2018年3月5日付で3本共運用に就いた。

3036編成の8両編成が2018年2月2日付で営業運転開始した。

 

営業運転初日の3036編成 

京成高砂 2018年2月2日

 

 

 

営業運転初日の3037編成 

京成船橋 2018年2月22日

 

続いて、2018年2月22日付で3037編成の8両編成、2018年3月5日付で3038編成の8両編成が営業運転開始した。

 

 

営業運転初日の3038編成 

京成津田沼 2018年3月5日

 

車輛メーカーは3本共 日本車輛製。


8両編成は 都営地下鉄浅草線乗り入れ運用もかなりの頻度で入ることもあり 前年度新造車と仕様は殆ど変化ない。よって、2016年12月より3003編成で試験改造したSiC素子VVVFインバータや  2017年11月末より3002編成で試験採用した LED前照灯等は採用していない。現に京急の2017年新造車で三菱製SiC素子VVVFインバータを採用し かつLED前照灯を採用し新造した新1000形1200番台や 2017年度の更新時にSIC素子VVVFインバータに改造した新1000形初期車は 2018年4月時点で都営地下鉄浅草線乗り入れ対象から外されている。LED前照灯搭載車  SiC素子VVVFインバータ制御車が都営地下鉄浅草線に乗り入れ対象になるのは 都営浅草線新形式の5500形営業運転開始前後からになる公算が高い。
今回の新造車は3038編成が3000形3000番台(3050形以外)の8両編成で唯一駆動装置がWN駆動となり三菱製誘導電動機を搭載しているが、VVVFインバータ自体は東洋IGBT素子を引き続き使用しているため高速域以外 音・乗り心地に大きな変化ない。

2017年度新造車は予備編成確保のためかと思われ、3600形等経年車の廃車は発生しなかった。2018年2月下旬に3700形3778編成北総鉄道にリースし 北総7300形7800番台7328編成として新規在籍することになった。北総車は全車VVVF車に統一したためこちらも北総鉄道管理車  予備車確保のためかと思われる。
よって京成車は16両増の598両在籍となり、北総車は千葉ニュータウン鉄道所有車を含め8両増の104両在籍となった。2012年度以降。京成通勤車は新造車同数が廃車、もしくは北総へリースしていたため、車両増備による新造は、2009年9月〜2010年6月やな成田スカイアクセス線開業のため新造した3050形以来8年振となった。
そのため、代替がなかったことは予想に反していた感があった。しかしこれには次の理由があるからかと思われる。

京成車は8両編成の3700形等で 無線搭載・室内リニューアル・室内LCD案内搭載等の工事を順次行なうことにより、これまで以上に改造離脱が出るかと思われる。現に2017年8月〜2018年1月の間、8両固定編成車が検査・改造等入場の際 通常 6両・4両組んでいる3500形更新車を数回にわたり組み替え8両編成1本を組成し自社線優等運用主で使用していた。3500形更新車はツーハンドルのため 2017年春以降は西馬込発着を含め 都営地下鉄浅草線乗り入れ対象から外されたこともあり、A15運用等 京成本線特急等の自社線運用限定でもあり不利な点はあった。そのため、今後は3500形更新車8両を組まず8両固定編成のみで8両運用を賄う可能性もある。

ただ、過去20年位の事例だと年度明けに 前年度新造車代替の廃車が発生した事例もあり、2017年度の新造車が一概に増備とは言い難い。

 

予想に反し 2018年4月以降も残留することになった3600形3638

日暮里  2017年7月2日

 

 

 

 

 

 


②  室内LCD案内装置搭載

京成では、成田スカイアクセス線開業に伴い2009年〜2010年に新造した3000形7次車の3050形以来、新造時よりLCD案内装置を搭載した。それ以前の車両は、1991年に新造開始した3700形よりLED案内装置を搭載し、2007年度に新造した3000形6次車(3025編成)までの車両に搭載した。その他、初代AE形の足回りを再用し車体新製した3400形でもLED案内装置を搭載している。
3700形と3000形でLED案内装置を搭載した車両は2017年度〜2019年度に 順次LCD案内装置に交換することになった。

3700形では 2017年10月中旬室内リニューアルを主とした改修工事と同時に3818編成で室内扉上点検蓋部に15インチのLCD案内装置を搭載。横長のパットハイビジョンタイプとし、従来LED案内装置のあった箇所に搭載したため1次車の3708編成〜3728編成以外は千鳥配置とした。現在は8両編成のみしか交換していないが、成田スカイアクセス線主の自動放送も搭載した。

3700形のLED案内装置は 2004年〜2010年にかけて初期車より順次交換し 2006年以降に交換した2次車の3738編成以降は千鳥配置とし、2次車以降は今回のLCD案内装置へ交換時も引き続き千鳥配置としている。2018年3月までに3728・3768・3798・3818・3848・3858編成で交換済。2018年3月に施工した3728編成は全扉部にLED案内装置を搭載している。

3000形で室内LED案内を搭載していた1〜6次車(3001〜3025編成)。
2017年12月1日に出場後 営業運転に入った3002編成を筆頭に室内案内表示をLED表示から3000形11次車以降(3031編成以降)同様の17インチタイプLCD表示化する改造が始まった。こちらもLED案内装置のあった
2018年3月までに 3001〜3003編成・3006〜3009編成で改造済み。8両編成の3001編成は、LCD搭載同時に成田スカイアクセス線主の自動放送も搭載した。

2019年度までに京成在籍の3700形と3000形で全車 LCD案内装置を搭載する予定。


③ 3700形  改修工事やシングルアーム式パンタグラフ化 等 小改造

2011年度に開始した3700形 室内リニューアル主とした改修工事は 2017年度は10月に3818編成、2018年3月に3798編成で行った。これにより  腰ライトの3700形に関しては、北総にリースしている3808編成( 北総 7808編成 )以外で完了した。

3700形は前述のLCD案内装置搭載や改修工事以外でも小改造を行っている。
2017年度初に行った工事としては 改修工事済の3708編成T車に配していた補助電源装置をコンバータタイプからSIVに交換した。

2016年度の3708編に引き続き シングルアーム式パンタグラフ化を行い、2017年11月に3768編成  2018年1月に3728編成で施工した。

2014年度から施工していた室内LED照明化も進め、2017年10月に3828・3838・3858編成で、続いて2017年12月に3868編成で施工した。これにて京成在籍の3700形は3708・3718編成以外は室内LED照明となった。

 

 

 


④ 前照灯 LED化

2017年5月にAE形AE3編成で前照灯を電球からLED前照灯に交換した。京成のLED前照灯採用はこれが初で、AE形は2017年12月までに全編成でLED前照灯化 した。
通勤形に関しては3000形3002編成で、2017年11月の室内LCD案内装置化と共にLED前照灯化を施工。現在は 3002編成以外は変更していない。前述の通り都営地下鉄浅草線に乗り入れる等から2018年2月〜3月に入線した3000形新造車も前照灯は電球のままだった