エクソシストの後ろで微笑む悪魔にエクソシストは声をかける。

ふっふっふと低い声で笑い、彼女の耳元で囁く。


『お前、あの方と同じ匂いがするな』

「おだまり、魔界へ戻れ」

『お前、まさか・・・・悪魔、か?』

「魔界へ戻れと行っているだろう!」

女のエクソシストはぶつぶつ呪文を唱え、悪魔自体を滅した。

その消えた後を見て、エクソシストは呟いた。


「私は人間だ。




ただ―――――――





悪魔と呼ばれたエクソシストなだけだ。」
















―――――――――――・・・・・・・・・・






「なんで、この街はこんなに悪魔が出てくるんだろーな・・・・

ただでさえ、エクソシストの数が減ってんのに。」


聖イエス・キリストを信じるキリスト教信者たちの最後の砦である教会にてエクソシストの教団Christ Exorcist略してCEのボスがカイト=セイナミトは飽き飽きしながら呟いた。


「それは、悪魔がキリスト教信者のことを嫌ってるからだろ。

それに、この街は異様に悪魔退治のスペシャリストが揃ってるからな。だからだろう。」


そう呟いたのは先ほど悪魔退治を行っていたレイラ・サタノピアだ。

眉間に皺を寄せながら難しい顔をしている。


優香は口を大きく開けて間の抜けた顔で二人を見た。


儷はニヤニヤしながら、話を進めた。


「つまり、私達はTeam COLOR。恨みや憎みを受け取って対象者の前に現れる。

 今回の件は、私達の部下が貴方の元に行ったはずだけど。」


「因みに、俺達は本当に報酬をお金以外で貰うよ。

 それに、君がまだ払ってくれてないから払ってもらう。

 そのためにわざわざ、俺達がここに来たんだ。

 
 あと、苦情を言いにね。」


「そうそう。あんま、あたしたちのこと広めないでってウチの部下が言わなかった?

いっつも、依頼主にその事を言う掟だから言ってるはずだけど。」


二人は代わる代わるにいつも対象者に言うセリフを言った。


優香は口を閉ざし、そのあと、偉そうにソファの上で足を組んだ。




「・・・で?報酬は何なのよ。体とか無理だからね。」


すると、秋穂は思わず吹き出して笑った。

どれだけ、自分のことを美化してんだよ、と。


「体なんて、別に俺ら利益無いじゃん。あ、内蔵とか?」

しばらく、上戸の状態が続き、儷が秋穂の背中を思いっきり叩くと、

ヒャぅっと音がして、秋穂が元に戻り始めた。


「で、報酬の払い方は二つ。

『一生払い』『一括払い』のね。


えーっと、あら?報酬内容って言ったかしら?」


「言ってないよ。」


秋穂は顎に手を当て考えている儷にニヤニヤしながら言った。

ニヤ顔の秋穂に少し吐き気を覚えつつも儷は言い続けた。


「報酬内容は『貴方の幸せ』です。」

「え、そんな、いいの?」

どうやら、彼女の脳内変換では『貴方が幸せな姿を見ること』となったらしい。

幸せを奪われる、とは思っていないらしい。

それが面白かった二人は黙って話を続けた。


「えぇ。こちらとしてはそれを糧に他の仕事をするから。

まさか、貴方がいいって言ってくれるなんて驚きだわ。

『一括払い』にする?それとも『一生払い』?

この選択だと大体が『一括払い』だけど。

『一括払い』の場合は、大体期間が1週間ね。報酬内容が濃くなったものが一気に1週間の間に起こるわ。

『一生払い』は死ぬまで。さほど、大きな事は起きないけど、小さく長く。」

優香は未来の自分を想像した。

小さな幸せを死ぬまで味わうか、ドカンと幸せなことが一週間の間に起きるか。


「『一括払い』なんて勿体無いからぁ。優香はぁ、『一生払い』で♡


飯田くんはちゃんと始末したんでしょうぅ?」


甘ったるい声で黒いことを言う目の前の女に大きく頷く儷。

『じゃあ、おいとましますか。』っと、ニコニコ顔の秋穂がソファから立ち上がり、

二人は玄関まで歩いていき自分の靴を履いた。


「あ、そうだ。上木さん、俺達のことは内緒ね。もし、俺達のことを誰かに言ったら、大変なことになるからね。俺達は部下がたくさんいるから、いつでも君を見張れるんだよ。

あ、それとこれから不幸続きだけど、頑張ってね!」


秋穂がそう言ってる時に、儷は外をでるためにドアを開けようとした。


すると、秋穂の服の裾を優香が引っ張った。

秋穂は驚いて優香の顔を見ると、

モジモジしながら小声で何かを言っていた。


「もう一度、名前を言ってくれてぇ、キスしてくれたらぁ、先輩たちのこと黙ってます。」


はぁ?!っと儷は目を剥いたが、秋穂は嫌な顔一つせず、真顔で「優香ちゃん?」と呟くと、
オデコにキスを落とした。

「はい。黙っててくれるよね。」

優香にバレないように口を拭きなが秋穂は言った。

少し不満そうな顔を優香はしたが、どこにキスを、とは言ってないのに気づいて、黙って頷いた。


「行くよ、先輩。」

少し尖った口調でブスっとしながら儷は言った。秋穂はそんな後輩を笑いながら、後を追いかけていった。外はすっかり夕暮れから夜になっていた。

夏の割には涼しい風が吹き抜ける。

「なぁに、儷は俺にスネてんの?」

『Black』と言わずに、名前を言ったことに対してもまた、儷は苛立ちを覚えた。それが何故だかは分からないが。

「拗ねてない。ただ、なんでそんなに誰にでもキスできんのかが毎回不思議に思うだけです。」

「へぇー毎回。」

目を細めながら、頭一つ分低い儷を眺めながら秋穂は呟くように言った。

前を歩いていた儷は急に立ち止まった。


「先輩一人でアジトに戻ってください。あたしはちょっとその辺を散歩してきます。別に、拗ねてませんからね。ただ、夏だからいろんな虫の声が聞けると思うだけですから。」

「えーでも、夜は危ないけどなぁ。俺も散歩するよ。」

「結構です!これでも訓練してます!」

「それでも、大人数だと無理だと思うけど・・・」

「大丈夫ですって!!!」

「でも・・・」と心配する秋穂を振り切って儷は走り出した。












高校生二人を車から下ろすと、雲英は「後で電話して、迎えに行くから」とだけ言うとそのまま車を走らせた。


ポツンと残される二人。


「ま、いつものことだし。さっさと終わらせるかぁ。」

秋穂が背伸びをしてフゥっと息をつくと、早速インターホンを押した。

出たのは、どうも弟らしかった。


『はい、上木ですが』

「こんにちは。白川という者です。優香さん、いますか?」

『姉ならいますが・・・・少々お待ちください。』

すると、インターホンを切った。

「丁寧な弟さんね。」

儷は感心したように呟いた。秋穂も黙って頷く。


しばらくすると、バタバタと家の中から足音が聞こえて、ドアが開いた。

そこにいたのは、少し粧した上木優香の姿があった。


秋穂を見ると、頬を紅潮させて照れ笑いをしたのと同時に、儷の姿を見ると少し眉をひそめた。

「あのぅ、どうしたんですかぁ?」

ぶりっ子さながらの甘ったるい声で、クネクネしながら秋穂を優香は見た。

儷は呆れたと言わんばかり半眼で優香の仕草を見ていた。


秋穂は王子様スマイルで微笑みながら、言った。

「こんにちは、優香ちゃん。ちょっと話があるんだけど、いいかな?出来れば、俺達三人で話せるところがいいんだけど。」

優香は三人で話すということに少し不満そうにしたが、憧れの王子が家に訪ねてきたことに対してすごく、気分がよく、快く二人を家に招き入れた。

両親が共働きで今は家に弟自分しかいないらしい。

弟はすぐに友達の家に泊まりに行く予定があるから、家で話せばいい。とのことだった。


「話って、なんですかぁ?」


(アッタマ悪そうな話し方)と内心儷は良い気分じゃなかったが、このあと起こる出来事を考えると、ワクワクして自分の嫌いなタイプの優香を見るのも嫌ではなかった。


「んー・・・っと。Team COLORって知ってるよね。」

「え?・・あぁ、はい。あの都市伝説じみたグループですよね。なんでも、恨みを持った人の見方だとか?いや、優香はよくわからないんですけどぉ~」

「うん。それ。噂なんだけどさ、飯田君ってその人達に連れてかれっちゃったんだって。」

「あ!優香もそれ聞きましたァ~」

一緒だぁ~なんて、花を飛ばして喜ぶ優香。秋穂の隣で笑いをこらえている儷に秋穂は笑みを浮かべたまま、儷の太ももをつねった。

儷は、少し吹き出しながら、秋穂を見た。

(分かってますってw)

小声で言うと、ジトっと秋穂の目線が変わった。

「なんかぁ~、飯田君って超キモいんですよぉ。優香なんか、前にストーキングされちゃってぇ。」


COLOR側の二人の目つきが変わる。その様子にも気づかないで、しゃべり続ける。


「ずーっとだったんで困ってたんですぅ。なんかぁ、一緒な委員会にしてきたりとかぁ。部活も同じだったんですよぉ。

優香のこと、休み時間中に見てきたりとかぁ、マジでなくないですか?


飯田くんってぇ、ひとり暮らしなんですけどぉ、合鍵とか渡されてぇ。

『家とか入ってもいいよ』

みたいな事を言われて!

マジ意味わかんないんですけどぉ。


そしたら、急に彼女作って優香の前でイチャイチャしだしたんですよぉ~


あれ?!優香のこと好きなくせに?みたいなぁw


本当にアレは恨まれても仕方ないですよねぇ」


「「・・・・・」」


二人は顔を見合わせて思った。

((こいつ、本気な馬鹿な奴だ))


自分が勘違いしているとも気づかずに、自惚れているなんて馬鹿だな。


「それ、自分が自惚れてるだけだったりしてー」

冗談めいた風に、それでも本音を口に出す儷。

秋穂は目を見開いて儷を見たけど、そんなことない、と自信満々で優香は答えた。


「黒崎さんはそんな経験ないだろうから、分かんないかもだけど!


本当に飯田くんは周りに優香が可愛いとか色々と言っていたのよ!」


「可愛いって言われた=好きってのは勘違いだと思うけどなぁ~」

ボソッと呟く儷の声はどうやら優香には聞こえなかったみたいだ。


じゃあさ、と儷は言う。


「TeamCOLORの話に戻るんだけど、これ、知ってるかなぁ?


あのグループの報酬の話。」


「知ってるぅ!無報酬なんでしょ?便利だよねぇ。ま、グループだもんねぇ。お金は取らないか!」


「違うよ。」


「え?」

優香の顔が少しひきつる。儷はニッコリ笑いながら話を続けた。

「確かに、そのグループの報酬はお金じゃないけど、かといって無報酬ではないんだよ。

報酬の形はいろいろで後払い。だから、老若男女問わずに彼らの前に現れることができるのがCOLOR。恨みを持つ人なら誰でも歓迎しますってね。






・・・これは、ココだけの話なんだけどさ。飯田君って本当にTeam COLORの餌食になったらしいんだけど、依頼主である恨みを持った人が報酬を払ってないらしいんだよ。」




「へ、へぇ~」


徐々に、優香の顔に大粒の冷や汗が流れている。それを見ながら、儷はクスリと笑った。

「まぁ、後払いだから支払えばいいんだけど、もし払わなかったらその人達が目の前にもう一度現れて、請求するらしいよ。」


「ガ、ガセでしょ~。だいたい、その情報どこ情報なのぉ、黒崎さんだけズゥルゥイぃ♡」


もはや動揺を隠せていない。

儷と秋穂は顔を見合わせてニヤリと笑った。


「あたしたちだよ。」


その言葉に、ホッとしたように優香が言った。

「な、なんだぁ~。マジでビックリしたじゃん~!驚かせないでよぉ。だいたい、秘密組織のようなものなのに、そこまで詳しいこと知るわけないと思ったのぉ

その人達じゃないと分かんないじゃんー」


ねー。と同調を求めるように秋穂に笑いかけた。秋穂も微笑む。


「目の前にいるのがその人達って言ったらどうする?」








クリスタウン――――そこは聖イエス・キリストを信じるキリスト教信者のみが暮らす街。もちろん立派な教会が街の中央に建っている。そこには、キリスト教信者を嫌う悪魔たちから人間を守るための組織、エクソシスト達が住んでいた。


そんな街に今日も恐怖が一つ。





『嫌だ・・・嫌だ・・・』

「いいから。大人しくその体から出て行きなさい。」

一件の家の暗い闇に包まれた部屋でくぐもった声と凛とした女性の声がする。

『お前らが悪いんだ』

「じゃあ、貴方の名を名乗りなさい。名前は何?」

『・・・・オ、・・・・オキシア』

悪魔である。


どうやら、くぐもった声は悪魔が人に乗り移った声らしい。

そうなると、女性の方はソレを退治するエクソシストだ。


「なぜ、貴方のような悪魔がこの世に降りてきて信者の体を乗っ取ったのかしら。」

『全ては、サタン様のため!あの方が望まれるからだ!』

「サタンが?」

『そうだ!ついにやって来たのだあの時が!』


悪魔が乗り移った女は笑いながら目から血を流している。

きっと、悪魔が女の体では合わない魔力を持っているのだ。

「まぁ、どうでもいいわ。」

エクソシストは胸に下げていた十字架を手に持った。

「もう一度、元の世界にお戻り。」


そして、十字架を悪魔の方へ向け口で小さく呪文を唱えた。


すると、酷い叫び声をあげて、女が首を押さえて苦しそうにした。

白目を向いている。

しばらくすると、カックリと倒れた。


エクソシストが女の元に駆け寄ると、先ほどとは違って穏やかな顔をしていた。


『おのれ、エクソシストめ・・・』

「やめなさい。貴方かって、かつては天使だったのでしょう。少しは善良な気持ちがあるはずだわ。今なら滅さないから、自分から元の世界にお戻りなさい。」







設定


舞台:キリスト信者のみの街「クリスタウン」

時代:近世ぐらい。電子機器がまだ無い時期。


キャスト


レイラ・サタノピア(Reila・Satanophya):クリスタウンのエクソシスト。腕はいいが、無愛想。


ルーク=フィンド(Ruke=Find):クリスタウンのエクソシスト。一番冷静な青年。


マリア・アドノイア(Maria・Adnoia):クリスタウンのエクソシスト。情に厚い。


カイト=セイミナト(Kaito=Ceiminat):クリスタウンのエクソシストのボス。


シーザ(Seaza):葬儀屋。副業で情報屋をやっている。レイラの良き理解者。




私の名前は臨。

まぁ、このブログの作者だ。


驚かないで聞いて欲しい。


実言うと目が覚めると、


「おはよ。起きたのか。7:00だぞ、慌てなくて大丈夫か?」


謎の美青年が私の目の前にいました。


長身で、黒い髪の毛に金メッシュ。

その姿は二次元から飛び出してきたみたいだった。


「だ、誰だ!!」

「ん?あぁ、俺?お前の携帯だろ。忘れたのか?」


どうやら、携帯が擬人化したらしいです。

携帯は買って半年経つと擬人化するという特殊機能がついている。

普段は基本人の姿。通話するときだけ本来の携帯の姿だ。


「えーっと、そうだけど、いつの間に擬人化しちゃったのかなぁ~なんて。」


「そんなの昨日の夜に決まってんだろ。」


「ですよね~」


「そんなことより、学校に遅れるぞ。」


そんなことじゃないんですけどw

朝おきて二階から一階に降りると、母さんが自分の携帯と喋っていた。母さんの携帯の性別は女だ。


「やっと、ウチの子の携帯が擬人化したわ~」

「まぁ、契約して半年ですからねぇ。」


ま、そんなかんやで家を出た。


夏の朝は涼しいような暑いような。

「今日は最高気温28℃だ。湿気が多いから気をつけろ。あと、午後は雨が降る可能性もあるから、折りたたみ傘かカッパを用意しろ。」


携帯らしく、今日の天候を伝えてくれる。

隣に並んだ私の携帯は頭1個分は余裕に超えている背丈だった。


自転車の鍵を解除し、カゴに荷物を置くと、ポンと可愛い音をたてて隣の長身のイケメンは
10cmくらいに小さくなって、私の胸ポケットの中に入った。


「可愛い~」

「うるさいっ!どうでもいいから、行くぞっ!」

「こぐのはウチだけどねぇ・・」




* * * *


学校につき、自転車置き場に自転車を止めると、またポンッと可愛い音を立てて胸ポケットの携帯が大きい青年に戻ってしまった。

「あ、電源切らなきゃね~」

「電源か・・・・」


少し寂しそうな顔をする携帯。その姿が少し可愛い。

「マナーモードならバレないかな。どうせ、誰からも電話かかってこないでしょ。」

そう言うと携帯は嬉しそうに笑った。

見た目クールな無口タイプっぽいけど、すごく無邪気だ。ウチの携帯、こんなタイプだったんだ・・・


さて、マナーモードはどうやら、ただイケメンが黙るらしかった。



教室に着くと親友の晴が既にいた。


「あーっ!臨の携帯、ついに擬人化したんだぁ~」


晴の携帯は既に擬人化していて、性別は男。金髪でめちゃくちゃ活発なやんちゃなイケメンだ。

「あれ、類くんは?」

晴は携帯に類、という名前をつけている。

晴は呆れたように、教科書を引き出しにしまった。

「あいつ、また友達のケータイとバスケしに行きよった。いっつも、充電どっかに飛ばして帰ってくんのに。」


「なぁ、臨。俺にも名前頂戴。」

自分でマナーモードとりやがった。

「名前?・・・んー・・・空(くう)・・とかは?」


晴がブフっとふいた。

「かわいー。なんかジュースの名前っぽいw」


「くう・・・・」


口の中で何回も呟く携帯。


嫌かな?まぁ、嫌だったら違うのをつけるけど。


「臨っ」

「は?!!」


あたしの名前を呼んで抱きしめてきた。


「おいおいおいおい・・・」


あたしはオロオロする。

けど、そのギューッてするのにもキュンときた。


「俺、空な!」

「お、おう。分かったから、離せ」


パッと俺を開放するとんふーっと笑って、あたしの席の横で体操座りをした。


そして、自分でマナーモードになって、寝だした。


どうやら、マナーモードは眠たくなるらしいです。








あぁ。。。。なんか猫を飼いだした気分だ。

「で、上木さんのことだよね。


君たちの方が詳しいと思うけど、一応調べた情報を話すよ。


年齢は15歳。A高校一年二組。見た目は少し派手目でオシャレが大好きな女の子。

趣味は雑誌を読んだり、恋バナをすること。

そんな至って普通な女子高生がなんで俺達COLORに頼ってきたか。


それは単純。


そもそも、行方不明になった飯田くんと上木さんはストーカーされてる側としている側の関係。


上木さんが飯田くんをストーキングしていたというわけ。


ま、本人はその自覚なしだけどね。

彼女、自分のことをかなりの美人だと錯覚してたみたいで。


同じ中学だった彼らは委員会や部活など運の悪いことに同じなものが多かった。

そこで、上木さんは飯田くんが自分のことが好きで委員会や部活が同じなんだと勘違いする。


そこで、酔いしれた彼女は自分の方が彼に合わせているのに気づかないで、彼の・・・飯田くんの行く先々で待ち伏せしていた。


飯田くんは彼女が自分のストーカーであることを知った。


彼は、上木さんが自分に彼女がいることを知れば諦めると思って、幼馴染の女の子に頼んで彼女のフリをしてもらった。


しかし、上木さんはそれを見て逆上。

恨み、妬み、そして飯田くんに殺意を抱いた。」



そこまで言うとクイッと眼鏡のズレをなおす、雲英。

雲英は運転しながら、ミラー越しに車の後部座席に腰掛けている二人を見た。


むぅ・・・っと二人とも眉間にシワを寄せて唸っている。


顔の良い、戦闘力の高い二人にはあまり分からない話かもしれない。


「やっぱ、愛って怖いですよね。それだけで自分の理性飛んじゃうんですからねぇ・・・」

「っていうか、相当かっこよかったの?その飯田くん。」


しんみりという秋穂と変わって、冷静に質問をする儷。

その光景に苦笑しながら、雲英は首を横に振った。


「ううん。まぁ、良くもなし悪くもなし、ってところかな。でも、性格が良かったんだよ。ジェントルマンみたいな。



で、話はここから。



恨みや妬みを持った者の目の前に現れるのが俺らだよね。


で、一応下っ端がその子のところ行ったんだ。



上木さんも都市伝説のようなかんじで俺らのことは知ってたみたい。

興味を持った且つ、殺意を抱いていた彼女は我々の存在に手をたたいて喜んだ。


代金はいくらでも払うから飯田を殺して、ってね。


俺たちの報酬はお金じゃないですからって下っ端は言ったのね。

そしたら、どうも意味を取り間違えたみたいで、

『報酬はいりません』ってことになっちゃったんだよね。

で、後払いだからソレを言う前にそそくさとじゃあよろしく!って言って帰っちゃったわけ。



結局、後で請求すればいいっか。で終わっちゃって、飯田くんを行方不明という名の監禁で今は彼女からのGIVEを貰うのを待っているってところ。


もちろん、ちゃんとご飯や昼寝付きで、縛ってないよ?」





Team COLORはただのグループじゃない。

報酬は後払い・・・と見せかけてとりあえず、標的を監禁させておいて報酬を頂いてから実行する。
しかし、途中で事情が変わって、報酬を受け取る前に標的に恨みが生じたら、ボスが指示をし、どちらか側につく。

それが彼らなりのルールであった。




「なるほど。で、私と先輩でそこんところちゃんと払ってもらうってとこっすか。で、いつもの2パターンでオッケーですか?」


「そうそう。そういうところだから、ほら、彼女の家の前だよ。」











そういって、普通の住宅の前に車を止めた。



「・・・っにしても、先輩モテますよねぇ~」


女子の騒ぎようを見て、長い髪を後ろに払いながら儷は言った。


「上級生差し置いて、この学校のミスをとってる人にソレは言われたくないかな・・」


「先輩かってミスターとってるじゃないですか。」


「だから、同じってことを言いたいんだよ。」


ニコニコしながら、儷の頭にポンと手を乗せて秋穂は言った。

儷は少し目を見開いた。

「先輩、連絡は後でしといてくださいね~」


「っていうか、帰り待ってるから」


「え~。それ、違うところから見たら付き合ってるように見えるじゃないですかー」


「じゃあ、雲英さんを呼べばいいんじゃないかなぁ。どうせ、あの人がほとんどの事情を知ってるだろうし。」

「雲英さん苦手なんだけどなぁ~」

「文句は言わないのー」

そう言うとじゃあね、と手を振って自分の教室に戻っていった。





* * *帰り道―――――



儷が校門の前に行くと、二人の顔の整った青年が仲良く喋っていた。


一人は秋穂である。


もう一人は先ほど雲英と呼ばれていた青年で、本名は青島 雲英。
24歳の社会人である。黒縁メガネをかけた好青年風の大人だ。


雲英は儷に気づくと笑顔で手を振った。

儷はぎこちなく会釈をする。

「やぁ、儷ちゃん☆」

「あのー、一応通称で呼んでいただけるとありがたいんですけど~」

「ん?それは、ミッションのときだけじゃないの?」

「いや、グループ内ではそういう風になってるはずです。」

「え~、でも儷ちゃんは儷ちゃんの方が可愛いよ?ねぇ、秋穂くん?」

同意を求めるように、甘えてくる24歳。

苦笑で受け流す秋穂。

「で、ウチの高校の子のことなんですけど・・・」


「あぁ~、あの子ね。ま、車に乗ってから話すよ。行き先はアジトでいいよね?」


もちろん、と頷く高校生二人。






三人は学校脇に駐車してあった車に乗りこんだ。