私の働くオフィスは実にマルチカルチャーである。


リゾートで働く人達は殆どがオージーだが、セールスオフィスは数人のオージーに、フランス人ボス、スロベニア、ハンガリー、アメリカ、イギリス、ブラジル、インドに私というラインアップで実にまとまりがない。


年齢も様々で歳を重ねればそれなりに仕事に対する姿勢もきちんとしているが、若者は基本的にルーズである。


曜日ごとに朝一番にコーヒーマシーンの準備やコップを準備したりの当番が回ってくるのだが、若者は最低限の事しかしないので毎回ミーティングの際に注意事項で伝達しなければならない。


細かく表にして貼ってあるのだが、見ていないので意味がない。


これは世代の事なのか文化的な事なのか、基本的に仕事の姿勢が異なるのでもはや諦めている。


そうこうしているうちに成績が良くなく思った程稼げないとふんで辞めていく。



ボスも「全ての人が精神的に成熟している訳では無いし、中にはとんでもなくバカな奴もいる」と言って諦めている。


それは分かるが、それを育てるのがマネージャーの仕事ではないのか。

可能性を見て採用し、ここで働いているのならば、一定の基準に満たすのを手伝うのもマネージャーの力量だと思うのだが、数字に重きをおくセールスの部署ではそれは二の次なのだろう。


常に誰かが小言を言い不満が溢れている。


まあ私は適当に皆と冗談を言い自分の仕事は真剣に取り組んでいるので、関わらない様のらりくらりとやり過ごしている。



うちの隣には同じくらいの歳の夫婦に子供二人の家族が住んでいる。

子供達はうちより全然歳上で上の男の子は21歳である。


先日お邪魔して喋っていた所、その長男が今の仕事を辞めたがっていたので私のやっているセールスに興味があれば紹介すると提案した所乗り気だったので仲介した。


ボスは面接で気に入った様子で彼は今週からトレーニングを開始した。


1週間自宅でzoomトレーニングなのだが、ネットの接続が悪いらしく昨日からオフィスに来て継続する運びとなった。


商談中の私達はとても忙しいのでどんな様子でトレーニングしているかは分からないのだが、昨日は難なく終了した様子で今日また再開していた。


途中マネージャーが様子を見にいくと彼は床に寝転んでいた様で軽くビビった。


確かにつまらないトレーニングでほぼ一日中話を聞いている様な感じだが、誰も来ない部屋にいるとはいえ誰がいつ来るか分からない訳で、家ではない。


皆家では時々カメラをオフにしたり他の事をしたりしているが、オフィスではさすがに椅子に座るだろう。


聞けば長時間座りっぱなしで腰が痛いのでという事だが、まあ毎日来てトレーニングを受けているので良しとするか。


私が紹介したので、責任もある。


うるさい様だが、仕事に対する姿勢やこのオフィスでの決まりなど色々伝えておいた。


若いからダメなのではなく、知らない事は教えなければならない。

案外素直に聞いて感謝してくれたりもする。


私も男子の親なので分かる。

言われれば出来るのである、期待してはならない。

一応何でも伝えた上で出来ていないのなら話は変わるが、教えていなければ分からない事もある。


何だか彼の母の様な気持ちで見守っている。

マネージャーにも、彼はまだ若いので色々教えてやってくれと頼んでおいた。


お隣さんなのでそっと見守ろう。