私の前世のマリーと


ソウルメイトのアルバートのお話の続きです。





右わき腹を馬に踏まれた私は


馬の走り去る足音と 男たちの声が聞こえました。


「おい 女を踏んだぞ ! ! ! いいのか ? ? ?」


「あれは もう助からん ! ! かまっている暇はない ! !


急げ ! ! !」



【普通だったら 声なんか聞こえない距離なのに

近くにいるように やけにはっきり声が聞き取れました。

そして 彼らの立場も分かってくるのです。

彼らは国に重要な情報を伝える「伝令」だったと思います。】





土ぼこりと 息苦しさ


右わき腹が カーッと熱くなりました。


痛みはほとんどありません。



【マリーの体の感覚が分かります。

けれど 実際の私の体は 特に痛みも苦しさも感じません。

ただ 右わき腹の違和感は強くなった気がしました。】




赤ちゃんはいなくなった・・・・


そう感じました。


ものすごい空虚感です。




意識がもうろうとしてきました。




「マリーーー ! ! ! ! ! ! 」


アルバートの悲痛な声が聞こえました。




私は抱きかかえられ アルバートの顔と


澄み切った空を見ました。




アルバートの額から血が流れています。


アルバートは 私を押した後 


馬の足に引っ掛けられたのでしょう・・・


森の方へ落ちたみたいです。





アルバートはぐしゃぐしゃに泣いています。


「大丈夫 ?」 と聞きたかったのですが


私は話せないことに気がつきました。


「マリー・・・ 平気だ。 大丈夫だ。


俺が助けるから・・・・・お前を助けてやるから


3人で仲良く暮らそうな・・・・」


アルバートの手は震えていました。




アルバートが泣いている 悲しんでいる


慰めなきゃ・・・・・




【現在の私もとても悲しくなって泣きました。】




視界がだんだんぼやけて 真っ暗になりました。


体が急に軽くなりました。


どうやら マリーの肉体は死んだみたいです。




すると 上空から なんとも言えない綺麗な光が


降りてきました。




【よく臨死体験をした人が 光のトンネルを抜けたという

話は聞いていましたが まさに そんな感じでした。

光が迎に来てくれたのだと感じました】




マリーは本能的に その光の下に行こうとしました。




急に マリーの頭の奥から アルバートの声が


ものすごい音となって響きました。




ハッとして マリーは後ろを振り返ります。




そこには マリーの体にしがみつくアルバートがいました。




「マリー ! ! ! ! !  死ぬな ! ! ! !


死なないでくれ ! ! ! ! 俺を置いていかないで ! ! ! !」




アルバートは泣き叫び  マリーの心臓に何度も何度も


耳を当て また心臓が動くのではないかと確認しています。


体を揺らしながら 彼は半狂乱になっていました。




それを見た時 マリーの悲しみが戻ってきました。


光を感じた時は マリーの感情は真っ白になって


何も感じていませんでしたが 


再び アルバートに対して 思いが強くなりました。




このまま 彼を置いていけない・・・・




気がつくと マリーの横には 小さな光がありました。


それはお腹の中にいた赤ちゃんでした。





続きはまた後で・・・





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