破壊と殺戮が続くリビアを

米軍が空爆した背景に

シリアでのロシア軍による

ダーイッシュ攻撃成功

(櫻井ジャーナル)   

 

破壊と殺戮が続くリビアを米軍が空爆した背景に

シリアでのロシア軍によるダーイッシュ攻撃成功

http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201608100000/

2016.08.10 18:50:19 櫻井ジャーナル

 

 

8月1日にアメリカ軍は

リビアのシルテに対する空爆を

開始したと発表された。

 

ここはダーイッシュ

(IS、ISIS、ISILとも表記)が

拠点にしている都市。

 

イランでの報道によると、

そのリーダーと言われている

 

アブ・バクル・アル・バグダディが

昨年10月にイラクで負傷した際、

 

CIAとMIT(トルコの情報機関)は

彼を治療のため、

トルコ経由でシルテへ運んだという。

 

それだけダーイッシュの

強い影響下にある場所だということだ。  

 

2011年2月からリビアは

アメリカ/NATO、サウジアラビアやカタールなど

 

ペルシャ湾岸産油国、イスラエルなどに先制攻撃され、

10月にムアンマル・アル・カダフィ体制は崩壊した。

 

その時にカダフィが惨殺されているが、

その事実をCBSのインタビュー中に

 

知らされたヒラリー・クリントンは

「来た、見た、死んだ」と口にし、喜んでいる。

 

その姿は映像として残された。  

 

この侵略で地上軍として

戦っていた部隊の中心は

アル・カイダ系武装集団のLIFG。

 

カダフィ体制が倒された後、

その幹部はダーイッシュに加わったと

主張するジャーナリストもいる。

 

また、2012年7月に行われた選挙で

成立した政府はイスラム色が濃く、

 

ダーイッシュと

つながっているとも言われていたが

 

最近はシルテに対する

攻撃を続けているようで、

状況が変化している。  

 

これはシリアにおけるロシア軍の空爆で

アレッポをシリア政府軍が

 

奪還しそうになっていることも

関係していると見る人もいる。

 

昨年9月30日に

ロシア軍が空爆を始めて以降、

 

ダーイッシュなど侵略軍は

大きなダメージを受けている。

 

7月中旬にジョン・ケリー国務長官が

ロシアを訪問したことも無視できない。  

 

カダフィ体制が崩壊した後、

リビア軍の倉庫から武器/兵器が

持ち出されてトルコへ運ばれたが、

 

調査ジャーナリストの

シーモア・ハーシュによると、

 

輸送の拠点になったのは

ベンガジにあるCIAの施設。

 

輸送にはマークを消した

NATOの輸送機が使われた

とも伝えられている。

 

運び出された武器/兵器の中に

化学兵器も含まれ、

 

これをシリアで使い、

政府軍に責任をなすりつけて

NATO軍が直接、

 

シリアへ軍事介入する口実に

しようとしたと言われている。  

 

そうした事実を

アメリカ国務省は黙認した。

 

2009年1月から13年2月まで

国務長官を務めたヒラリー・クリントンも

この工作を知っていたはず。

 

しかも、クリントンの部下にあたる

クリストファー・スティーブンス大使は

 

2012年9月10日、

CIAの武器輸送担当者と会談、

 

その翌日には

武器を輸送する

海運会社の人間と会っている。

 

勿論、武器はトルコ経由で

シリアの侵略軍へ

渡される手はずになっていた。  

 

その9月11日に

ベンガジのアメリカ領事館が襲撃されて

スティーブンス大使が殺された。

 

議会が首相を指名する前日だ。

 

その2カ月後にCIA長官を辞めた

デイビッド・ペトレイアスは

 

ヒラリーと緊密な関係にあることで知られ、

このルートからもシリアでの工作を

知らされていたはずだ。  

 

こうした工作が

アル・カイダ系武装集団の

増強につながることは

 

バラク・オバマ大統領も

情報機関から警告されていた。

 

例えば、2012年8月に

DIA(国防情報局)は

反シリア政府軍について、

 

主力はサラフ主義者(ワッハーブ派)、

ムスリム同胞団、

 

そしてアル・カイダ系武装集団のAQIだと

ホワイトハウスへ報告している。

 

シリアのアル・カイダ系武装集団として

アル・ヌスラが有名だが、

 

DIAによると、

アル・ヌスラはAQIの別名で、

 

こうした集団は西側、ペルシャ湾岸諸国、

そしてトルコの支援を受けているとしていた。  

 

後にクリントンの電子メールが

ハッキングされるが、

 

その中にはスティーブンス大使らが

殺された事件に関する情報が含まれ、

 

ベンガジを含む襲撃に資金を出したのは

サウジアラビアのスンニ派(ワッハーブ派)

 

だということを示す証拠を

フランスとリビアの情報機関が

持っているとされている。  

 

2014年に行われた選挙では

世俗派が勝利したが、

イスラム系は政権交代を認めない。

 

新政権は

リビア東部のトブルクに

新たな議会を設立、

 

アメリカ、イギリス、フランス、

エジプト、アラブ首長国連邦などから

支持されている。  

 

ダーイッシュを含む

アル・カイダ系武装集団は傭兵集団。

 

1997年から2001年にかけて

イギリスの外務大臣を務めた

ロビン・クックによると、

 

これはCIAから軍事訓練を受けた

「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイルだ。

 

アラビア語でアル・カイダは「ベース」を意味し、

「データベース」の訳語としても使われている。

 

その仕組みを作り上げたのは、

ジミー・カーター政権で大統領補佐官を務めた

ズビグネフ・ブレジンスキーだ。  

 

こうした傭兵集団を

アメリカ、イスラエル、サウジアラビアが

 

雇っていることは

広く知られているとはいうものの、

 

具体的な証拠が出てくると、

こうした国々は困るだろう。

 

シリアでダーイッシュなどが壊滅した場合、

アメリカが行ってきた「テロとの戦い」に対する

批判も高まる。  

 

アメリカは新たなタグを作って

ダーイッシュなどを処分する動きも見せているが、

そうしたタグの付け替えをロシアは無視している。

 

戦闘員の「雇い止め」は

別の問題を発生させるだろう。

 

アメリカの好戦派は

自分たちが作り上げた

モンスターの処分に困り始めている。

 

東アジアへの移動は

人種的な問題があって難しく、

 

カフカスやEUへの移動だけでは

解決できそうにない。  

 

そうしたこともあり、

中東/北アフリカ侵略を主導してきた

 

ネオコンなど好戦派は

シリアに対するアメリカ/NATOによる

本格的攻撃を目論んでいるが、

 

それはアメリカとロシアとの

直接的な軍事衝突に

発展する可能性がある。

 

現在、通常兵器での戦いなら

ロシアが勝つと見られているので、

 

負けるわけにはいかないネオコンは

核戦争を始めるしかない。

 

そうした好戦派に担がれている

大統領候補がヒラリー・クリントン。

 

そうした構図の中で

アメリカの好戦派は

 

東シナ海や南シナ海で

軍事的な緊張を高めてきた。

 

それに従っているのが

日本の菅直人、野田佳彦、安倍晋三の

3政権である。