あの日あの時あの場所で
キミと初めて出逢ったのは 去年の夏
丁度今頃だね
顔も本名も住まいも知らない
匿名性ばかりのチャットルーム
数百ある部屋の中で
一つの部屋に入って出逢った
偶然という名の出来事
言葉遊びの世界の中で
一瞬で漠然とだけど惹かれたんだ
お互いの波長感覚の一致は
ピンとくるものなのだろうか・・・
とにかく不思議と居心地の良さを感じたし
その瞬間に意気投合しあっていた
まるで 中学校の時の同級生を
懐かしみあうように・・・
でも本当はね 僕はちょうどその頃
婚外恋愛でうけた
失恋のココロの穴を
誰かに聞いて欲しかっただけ
ポッカリあいたその穴を
何かで塞ぎたかっただけ
そんな理由で・・・
ふらりとその部屋を覗いてみたんだよ
「ココロの寂しさを埋める部屋」
正直 会話をするなら誰でもよかった
ほんの一瞬の楽しみがそこにあれば・・・
キミという女性は
そんなひどく屈折した僕のココロに
絶妙に入り込んできたんだ
いつしか僕は 暇を見つけては
チャットルームに出入りし
キミがいれば喜び ひたすらタイピング
キミがいなければ 落胆と何時くるのかという
期待感で一喜一憂する日々を送っていた
キミの存在が そうして少しづつ
膨らんでいったんだ
キミが部屋に入ってくると
部屋は明るく楽しくなった
いわばキミは部屋のムードメーカー
キミを狙ってる男は 沢山いてたし
僕はいつしか「嫉妬心」すら
抱くまでになっていたんだ・・・
でもね 知っていたよ
キミも最初から僕に
特別な感情を抱き始めていた事を
他の人には決して見せない
もう一つのキミのココロを
僕はその頃から感じていたんだ
それはきっと・・・
僕が抱いてるココロの波長に
似たものだったんだろうね
似たもの同士が そうやって惹かれ
あっていったんだ・・・






