助手席でただ黙って遠くを見つめる私に母は静かに微笑んでハンドルを握った。

 明日、いや、もう今日か
 大切な場所から離れる日。
2日前、私のために泣いてくれる人が居た。「またおいで」と言ってくれる人が居た。

嬉しいものだ。
最後まで温かさが絶えない場所。


また大切なことに気づくコトを忘れていた。

 窓に映る揺れる景色と自分を見て、なんだか悲しくなった。

ドラマのようなことだけど、心は結構単純で、揺れ動いては止まり、別れを実感させてくる。



この感覚は、2年前の卒業式の感覚と同じだ。

病は治らなかったみたいだ。

ただ、今が過ぎていくから、前を向くしかない