「ココアカフェ」にしましょう。Iさんは自分で考えたこのカフェの名前を私とDさんに推薦しました。Iさんは名称「ココアカフェ」をどうしても採用したいようでした。彼は名刺まで作り,配りだしてしまいました。前述のとおり私はこの時点では名前はどうでもいいと考えていたので,この件については「はい,いいじゃないですか」ですませました。あまり工夫のある名前ではないと思いましたが,それよりも,私がごちゃごちゃ言って彼のご機嫌を損ねるのを恐れました。最初の頃の私は彼のご機嫌ばかりとっていました。とにかくせっかく見つけたパートナーをなくすのを非常に恐れたのです。
一方Dさんはこの名前を非常に嫌いました。Iさんの前では何も言わないのですが,私と二人になると,この名前はもちろん,カフェを始めることについてもさえも文句を言いました。「本当にカフェを始めるんですか?ココアカフェ?ああ恥ずかしいなあ。」改装の仕事をしながら彼はよく私に言いました。これはまずいと思いました。このような状況では,彼はきっと我々と今後一緒に起業しないだろうと考えました。私は何とか2人の調整をしなければいけなかったのです。
 なぜ彼がカフェを嫌ったのか?どうやらベトナムでは,カフェの営業は特に何の技能も必要なく,誰でもできることであり,大学を卒業したものがやるものではない,と考えている人が多いようでした。また,そんなことをその後よく聞きました。

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 この事務所併設のカフェの名称を決めるときにはかなりもめました。実際は部屋の改修をしながら名称を考えたのですが,本格的に議論したのは会社の登記を始めた頃です。当初,名称はあまり深く考えていなかったのですが,徐々にその重要性を知ることになります。

 立地条件のよいカフェならば名前はほとんど意味がないと思います。確かに私はホーチミンシティにあふれるカフェの名前はほとんど知りません。どうしてそのカフェに行くかというと,立地がよい,居心地がいいなどが理由で,名前は関係ないからでしょう。

 しかし我々が事務所として借りた場所は,裏通りのとてもカフェを始めるような場所ではありません。客は町を歩く無作為の人を対象としていないので,集客はビラなどの広告に頼らざるを得ません。このときカフェの名称が非常に重要なのです。当たり前のように見えますが,これについては徐々に認識することになりました。このような,当然と考えられるようなことも当事者になると見えなくなるものです。きっと冷静に物事を見られなくなるからでしょう。

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 床の改修は数日後行われました。修復業者は天井を直した彼ら親子です。
またお金の話になりますが,この日床の代金と改修工賃の支払いの日もまたIさんがいませんでした。後で清算するといっても,心のどこかで払いたくない気分でした。結局この床は後で追加が必要になりおよそ7,000,000VND(約4万円弱)払う事になりました。
日本円で換算するとたいしたことないようですが,これをベトナムで回収するのはたいへんです。これが1年も持たずに大家のBさんの物になることはこのときはまったく知りません。

 この床を直した日はちょうどクリスマスイブでした。2008年12月24日。起業とは関係ない話ですが,この頃私には付き合っていた女性がいました。彼女はクリスチャンで,この日に一緒に教会に行く約束をしていました。ベトナムは日本と違い何よりも家族が優先されます。仕事は二の次なのです。
 5時頃に電話ががんがん鳴ってきます。以前約束に遅れたときに怖い顔をして怒られたので,床の改修が終わり次第急いで彼女の家に行きました。
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板を張る前の床
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板を張った後の床。かなりきれいになりました。
 パラソルを買った私たちは次に床の板を売っている店に行きました。このお店でまたIさんが好みの板を選び出しました。

 値段を概算すると5,000,000VND弱(結局これはもっとかかりました)です。そもそも私は,床に板を敷く必要があるのか疑問に思っていたのでここではIさんに考え直すようにいいました。

あまりにOK,OKといっていると,彼がどれだけ部屋の改修にお金を使うのか分からなかったからです。店の中で私は「これを敷いたからといってお客は増えないでしょう?なるべく経費は節約しましょう」とIさんを説得しました。しかし彼は,「日本人は清潔を好みます。もし板を敷かないと日本人のお客さんが来ません。」詳細は忘れましたが,結局私が折れ,板を購入し敷くことにしました。そのときのDさんの渋い顔を覚えています。

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 天井の改修が終わった後に私たちは,庭に置くパラソルを買いに行きました。これには大家のBさんがいい店を知っているというので,彼女と一緒に行くことにしました。

彼女は彼女の会社の社員のXさんが運転するバイクの後ろに,日焼け完全防備の服装で乗りました。マスクやサングラス,帽子にヘルメット,まったく外から見ると誰か分かりません。社員のXさんとはこの後とても仲良くなりました。

Iさんは自分のバイク(彼はべスパに乗っていました。ベトナムでは外国人は高価なバイクを好んで乗っています。),Dさんはおんぼろのホンダドリームです。私はこの頃はまだバイクがないのでDさんのバイクの後ろに乗って行動していました。この計3台5人でBさんの知っているお店があるチョロン地区に向かいました。
 
 この地区はホーチミンシティの中華街として有名です。到着したお店でIさんの好みのパラソルを3本買いました。パラソルといっても骨部分と傘部分,それと重りが別売りです。このとき選んだ傘部分に問題がありました。雨が漏ったのです。Iさんが「この傘で雨は大丈夫か?」と聞いたとき,店の人は「大丈夫,大丈夫」と言ったのを私は覚えています。これが全然大丈夫でなかったのです!これについては後述します。
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涼しいが雨が漏る・・・
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