春野菜が野菜売り場に並ぶ頃になると、大阪八尾の若いゴボウが葉もついたままで店頭に並びます。この頃になると、タケノコやウドなどとともに一度は料理をしていただきます。油揚げと一緒に炊くだけですが、ゴボウの少し強い香りが、初夏に移りゆく時を感じさせてくれます。    

            
若ゴボウ


友人と話していましたら、「京都では1日と15日はお赤飯を食べるのが、風習」だと話しますので、「今はもうほとんど続いて居る家庭は無いけれど、大阪も同じ」と答えました。そういえば、そんな風習は私の祖母が未だ元気な頃は続いて居たなと懐かしく思い出していました。


そんなことから、私が憶えている大阪だけでは無いと思いますが、食べ物に話が弾みました。


お正月の「白味噌仕立てのお雑煮」はよく知られていますが、2日目には「水菜のお澄ましに焼き餅」のお雑煮。「黒豆」にはすだれ麩と言う、巻きすのような形が残っている少し目の詰んだ麩が一緒に炊いてありました。「鯛」はお正月は”にらみ鯛”でにらんでいるだけで正月3が日は箸はつけたらだめだと言われました。理由は知りません。


朝食は茶粥かお茶漬け。どちらにもお餅から作ったおかきを火鉢で焼き食べるときに細かく砕いて入れると香ばしくて美味しい冬の味でした。


船場汁は鯖と大根のすまし汁ですが、難波汁と言ってサツマイモとネギをだしじゃこのだしで出したすまし汁がありました。


旬の魚は夏のハモ、冬のぐじ(甘鯛)やぶり、水菜と鯨の煮物・・・・・


こんなことを思い出して話していますと、この頃は食べないな。店頭に無いなという食べ物が沢山ありそうです。その方の出身は金沢ですから、金沢の食事や風習にも話が弾みました。


香箱という蟹、次郎飴、長生殿、寒ブリ・・・


長いドライブの間の話題でした。


信楽にあるMIHO美術館で更紗やびいどろ、阿蘭陀と言う江戸時代の異国情緒の展覧会。それよりも惹かれたのは、敷地に植えられたしだれ桜が満開の豪華さでした。

            
しだれ桜