今年のハイライトは「漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)」
で、多くの人が順番に並んでみていました。新品かと思えるくらい鮮やかな色。そのほかに、鳥の羽が張られた文字や螺鈿を施された鏡、多くの文書類、経典類が展示されていました。
よくも1300年間守られてきたなと思います。
日本の風土を生かし切った倉「正倉院」は湿気の多いこの国で、湿気の弱いであろう文書類、木工芸品などもきれいに保存されています。勿論、解説を見ると修理もされていますし、痛みのひどいものもありますが、それにしても、1300年というのは長い年月です。
飛鳥の高松塚古墳の飛鳥美人は黴に侵され、美しさが損なわれてしまったと言うことで話題になりました。
保存に力を尽くしても、それが成功するとは思われないという中で、正倉院にある技術は!と。これは間違いも無く、日本の誇りだと胸を張ることができます。
中東の混乱で博物館が襲撃破壊され、展示物が行方不明になったと何処かで読んだ記憶があります。
欧州の有名博物館の展示物の中には、植民地からかっぱらってきたものもあります。
そんな紛争が無く守られてきたことが奇跡です。
そんなことを考えながらの見物でした。
帰りに、お茶の茶筅の実演販売をしているお店に、耳掃除をしやすそうな耳かきを見つけ、購入しました。
竹の持つしなり、茶さじを作る同じ技術から生まれた、先の小さな耳かきの角度の良さ、その耳かきがいかにも大切に作られたと言うように、竹筒の鞘に入れられて渡されました。
安くは無かったのですが、嬉しい、記念になる買い物でした。



