首相公邸に幽霊が出るという話が、首相が公邸に住まわれないことの原因かとの質問が国会でなされたということを読みました。

 6月号のクーリエ・ジャポンにも、イギリスの古城にはそんな話がチョクチョクあり、「持ち主はその幽霊と折り合いをつけて住んでいる」と書かれていました。シャーロック・ホームズの著者、コナン・ドイルは神霊学や交霊会、超常研究でも有名ですし、その手の話には事欠かないようです。

 歴史の新しいアメリカではまさかそんな話はないだろうと思っていましたが、古い家と言っても100年ぐらいの家でもそんな話は別に珍しいことではないようでした。ホームステイしたワシントンDC、ジョージタウンの古い家には幽霊話が有りました。ただ、私がステイしているあいだは何もありませんでしたというか、感じませんでした。

 カナダでもそんな話を聞いたことがありますし、中学生が研究発表の題材に幽霊を選んで、写真等をパネルに貼って提出していました。

 大阪で、ずいぶん前になりますが、あるとき、開業医の家ので小さな集まりに出席した時に、そこの娘さんが、「この家に幽霊が住んでいるみたいで、誰もいないはずの2階から時々足音が聞こえてくる」と、もうそれが馴染みになっているらしく、恐ろしげもなく話していました。

 またあるとき、ご先祖の墓の改装された後の写真を見せてもらうと、墓石の中に人が座っているのが写っているのにお目にかかりました。昔、別の方から、襖に幽霊が何人も写っている写真を見せられたことがありましたので、その写真もにも、恐ろしさを感じることはありませんでした。というより、世の中にはそんなはずないだろうと思ってえいることがあるんだと、認めざるを得ません。

 きっと様々な目に見えないと思い込んでいるものが、実際には見える人がいたり、聞こえないと思っているのが聞こえたりと、否定しきれない話がいっぱいあることを、この年になると認めても良いと思うようになっています。