暦の上では春です。タイトルのような季語があるかどうかは知りません。”歌舞伎を観る”に春を置いてみました。


通し狂言「彦山権現誓剱(ひこやまごんげんちかいのすけだち)」を観ました。今はほとんどの演目は有名な場面、山場の上演で、フルストーリーを観る機会は私には初めての経験でした。立ち役者は、片岡仁左衛門。悪役と善人の一人二役。通し狂言のよさを堪能しました。スト^リーは見せ所、義太夫の効かせどころ取り混ぜ、最後まで楽しませていただきました。


祇園の先斗町御連中と入り口の看板に書かれていました。きれいな舞妓さんや老若の芸子さんと一緒の観劇でした。


蘇生.net-blog-芸子さん、舞妓さん


蘇生.net-blog-松竹座前


昔、入院中に往時大阪南で一番の売れっだったという、80歳くらいのおばあさんと同室でした。ベッドの上にきちんと正座で座り、背中はしゃんと伸びていました。その年でもきれいな方でした。


大阪の南の花街のにぎわっていたころの話や踊りなどのお稽古の話を聞かせてもらいました。その中に今流行の「トイレの神様」のことがありました。

おばあさんが痔を患っていたときに、お手洗いをしっかり掃除したら好くなるといわれ、そのとおりにしたら治ったと。


そのころのトイレは、水洗ではなく、しかも多くのお客が使うところ。大変なことだったと思います。しかもおばあさんは売れっ子の芸子さん。効果てきめんであったそうですが、大変な作業であったと想像できます。およそ60年後にも話してくださるほど。


松竹座で見た舞妓さんや芸子さんのきれいな姿を眺めながら、ちょっとかけ離れた話を思い出しました。