日本人だなーと思う事は、代表的な景色を、それも、素晴らしい景色にあったときです。
福島県に行く途上、飛行機の窓から見えた富士山は、そんな景色の一つ。まるで浮かぶようにそびえている雲の下には低い山が写っています。こんな景色を見ると、その旅が素晴らしいものであると、確信させてくれます。
事実、嬉しく楽しい旅でした。
三春の滝桜は樹齢が千年と言われています。平安時代、紫式部の源氏物語ができあがった頃、この桜は、都から遠いところで、芽を出し静かに1000年の時代を見てきているのです。
この土地柄、決して豊かな土地ではないと思います。多くの飢饉、災害を乗り越えたであろうと思って側に立つと、なんと強い!なんと豊かな生命が宿っていることと感動しました。自然を壊す一番大きな原因の一つは、人間なのであろうと、木を見上げながらの感想です。
幹は経てきた数々のことを、皺の様に、傷跡のようにとどめています。
葉をすっかり落としてしまった大木の、裸木の姿を見ることが出来、反って良かったと思います。
