私の居たニューファンドランド、コーナーブルックの只今の気温はやっと10度を越えたばかり、でも、人々は春から夏の生活を精一杯楽しんでいることでしょう。
学校はもう、次の学年へ迄の残り少なさを数えているように思えました。その間に、盛りだくさんの行事があります。スポーツ大会、音楽コンサート、学内作品展示会、この展示の中の優秀作品は、地域の展示会に選ばれて出品されます。フリーマーケット、この収益は、病院への寄付に当てられるという目的で開かれ、このときには、中学生の子供たちは、洗車を有料で行い。何人かは、フライドチキンやポテトを作って販売していました。
ある時、生徒たちが、家で眠っている1セント硬貨を持ち寄り、それが、社会のために役立つように寄付されます。そのとき、私に付いてくださった、中学2年担任の先生は、中学生から集まった硬貨の集計係。私も手伝いましたが、骨の折れる仕事でした。集まったものを、学校の事務員さんが、銀行に運び、所定の手続きをするのですが、1セントは100分の1ドル。記憶が定かではないのですが、400ドルくらい集まったように思いますが、枚数にすると、4万枚くらい。事務員さんが、「重かった」 と言っていたのを覚えています。
道路を車で走っていると、学生達と先生が車がストップする辺りで立っています。手には、入れ物をもっって。理由はクラスの子供の兄弟が、重病で大きな町ちの病院に入院。治療費は健康保険でまかなわれるけれど、病院までの交通費が大変だから、助けたいということでした。ある時は、消防士さんが、道端に消防自動車を停めて、制服で同じ事をしていました。
先生たちは毎週金曜日には、ジーンズをはいて学校に来ます。おしゃれをしないことで(建前かもしれませんが)幾許(いくばく)かのお金、大抵1ドルくらいを用意されている封筒に入れていました。これも、何かに寄付になるといっていました。
決して大きなお金ではありません。自分たちがほんの少し無理せずに出したことは、その人のことを、ほんの少しかもしれませんが思い至ることができる。生徒たちが、社会に目を向けることが出来る。そんな機会が、作られていることは素晴らしいと思いました。
有るとき、中学生たちが集まったところで、一人の生徒が、感謝を述べていました。聞くと、彼は難病を患っているとか、生徒たちが、何かで役立ったことの感謝を述べていました。
