夏椿 沙羅双樹
 

最近、町中でも見かけることがある夏椿が、日本では沙羅双樹と呼ばれているそうです。形は椿に似ていますが、いかにもはかなげな姿に思えます。

この花とともに想い出すのは、


平家物語の冒頭部分


祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
たけき者もついには滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ


(口語訳)


祇園精舎の鐘の音には、
諸行無常すなわちこの世のすべての現象は絶えず変化していくものだという響きがある。
沙羅双樹の花の色は、
どんなに勢いが盛んな者も必ず衰えるものであるという道理をあらわしている。
世に栄え得意になっている者も、その栄えはずっとは続かず、
春の夜の夢のようである。
勢い盛んではげしい者も、結局は滅び去り、
まるで風に吹き飛ばされる塵と同じようである。


 この冒頭の文章から、「おごれる物久しからず」今盛んであっても、それが永遠に続くはずがないことを学び教えられてきました。

 例えば、今飛ぶ取り落とす勢いの企業にも、人にも、国にも言えることだということは、この文章を想い出しながら、なるほど、事実なんだと納得してきました。


 今日、NHKアーカイブの番組で、「新平家物語」を書いた、吉川英治の事を取り上げていましたが、彼が体験した戦争をとおし、その無情をかたり、物語の最後の部分に、何ともない夫婦の語らいの中に、平和を語っているところで終わることを紹介していました。


 期日前投票に行きました。投票所のスタッフに聞きますと、予想以上の人が来たと言うことでした。スタッフに、「例年と違うね?」と聞きますと、「違いますね」と答えていました。その結果が、どのように現れるのでしょうか?


 京都の東林院に樹齢350年の沙羅双樹が有名です。せめて、本物の沙羅双樹写真でも見たいと思って、検索してみましたが、私の力では、探し出すことが出来ませんでした。