大阪市立東洋陶器博物館の側にあるバラ園な薔薇が盛りでした。
北原白秋の詩を想い出しました。
バラの木に バラの花咲く
何ごとの不思議なけれど
バラの花 何ごとの不思議なけれど
照り極まれば 木よりこぼるる
光こぼるる
この詩を見ながら、その横にある、市立東洋陶器美術館の事を思っています。
美術館のコレクションは、今、この館のコレクションの中核をなす、安宅コレクション、旧安宅産業の安宅栄一氏によって集められた陶器が、安宅産業の終焉とともに、私の記憶に間違いがなければ、住友銀行によって、大阪市に寄贈され、それを展示するために建てられた美術館です。
私は、この美術館の落ち着いた雰囲気と、素晴らしいコレクションに惹かれて時々訪れます。南宋の青磁や油滴天目茶碗は見飽きません。そんな素晴らしい目利きの安宅栄一氏が、企業のトップであったために、この会社は生き残ることが出来ず、そして、その整理をし、大阪市に寄贈した、住友銀行は、三井銀行と合併しています。安宅栄一は企業人であるよりも、趣味人でありすぎたのでしょうか。
時代が、移り変わっていく様を、白秋の詩と並べると、その詩の持つ意味が、何重にも輻輳(ふくそう)して見えてしまうのは、穿(うが)ちすぎなのでしょうか。
今、東洋陶器美術館は、特別展を開催しています。
「美の求道者・安宅英一の眼 -安宅コレクション」会期/2007年4月7日(土)~9月30日(日)
http://www.moco.or.jp/jp/exhi/exhi_1/index_f_20070330.html
会期/2007年4月7日(土)~9月30日(日)

