我が家のベランダのワイルドストロベリー、ブルーベリーの実を、少しづつ口に入れて、その味を楽しんでいます。例え少しでも、木で熟れた実のおいしさは格別です。けなげだなあと思い、有り難うと声をかけます。



ブルーベリー


 南仏、プロバンスにマクロビオティック料理と宿泊の施設”クイジーヌ・サンテ”とう所に、10日間過ごしたとき。周りには、小さな村と緑の畑が広がっていて、のどかな風景を堪能しました。そこ此所に生えているブラックベリーの実をもいで、口に入れながら歩き回りました。


 日本と大きく違う南欧の人達の休暇の過ごし方に、本などで読んで知っているつもりでいましたが、徹底して何もしない。そこで、1日中、本を読んだり、ぼやーっと只座っていたり、散歩を楽しんだりと、非日常という言葉の意味の理解がこんなにも違うことかと驚きました。日本人の非日常は、出来るだけあちこち見物し、忙しく体験することですから。


 ついでに、もう少しクイジーヌ・サンテについて触れますと、バックパッカーなど、敷地内のテントに泊まり、食事やシャワーは共用仕様から、普通のホテル仕様まで様々なタイプがあります。収容可能人数は100人を超えるのでは無いかと思われます。敷地は大きく、ゆったりとしています。テントも張れる大きな庭や畑。1角にはこの地方には珍しい大木が茂り、その中を綺麗な小川が流れている気持ちの良い施設でした。昼食や夕食は宿泊客との講習を兼ねた食事作りから始まり、出来上がったものは、バイキング方式で、好きなだけ食べられます。主食は、勿論、玄米や大麦などの未精白穀物。副食は野菜のフランスやイタリア、スペイン料理。デザートが必ずありました。飲み物は、穀物珈琲、3年番茶など。


 参加は自由ですが、館長(経営者)の講義や楽しいダンスパーティーが有りました。ヨガやその他の宿泊客によるボランティアでの講習もあり、参加したい人がそれぞれ楽しんでいたようです。残念ながら、フランス語が出来ない私には、食べる事と散歩以外の楽しみには余り参加できませんでしたが。


 宿泊客はフランスは言うに及ばず、スペイン、イタリア、そして、他のヨーロッパの国から。中には、犬連れも。後は、桜沢如一先生からの繋がりで、日本人も毎年利用しているようです。


 フランスでは、マクロビオティックがごく普通の健康法のひとつであるように、一般に受け入れられていることや、ヨガや合気道がとても盛んであることも知りました。アメリカでは、久司道夫先生が有名ですが、フランスで活躍されたクリム吉見先生。そして、今に到るまで、欠かすことなく、月刊小冊子を出し続けておられるフランス人の真摯な熱心さと情熱に圧倒される思いでした。


 日本で、マクロビオティック料理のみの宿泊施設で、夏の間中100人前後の宿泊客が何時もいるなんて、マクロブームと言われている現今でも考えられませんが、アメリカにも、フランスにも、そして、多分日本以外の他の所でも存在していることに私は驚きを感じました。


 そんなフランスとのマクロビオティックを通して交流を続けておられる田中愛子先生の為してこられた軌跡を少しかいま見せていただいた旅は、もう5年も前のことです。