蓮実 香佑
「植物」という不思議な生き方

 この本に、何と素晴らしい知恵を植物は生きるために備えていることだろうと驚きながら読んでいます。


 植物にとっての敵の襲来を防ぐための手段の一例が、表面をつるつるにすることであり、いよいよ最後の時になると、敵もろとも自爆してしまったり、闘い疲れて、活性酸素が大量に残ると、この所、人間も大いに利用させていただいている、ポリフェノールやビタミン類で抗酸化物質で抗酸化作用をする。種から、最後の死に至るまで、その見事なプログラムを、著者は面白く書いています。


 この本では、植物が生きるために創り上げてきた「生きる知恵」で有るけれど、下の記事の引用は、何と、植物が記憶力を持っていると言うことです。


 この本に驚いていたら


 次のような記事に出会い、益々面白くなってきた。


 イタリアのトリノ大学とドイツのマックスプランク化学生態学研究所の生物学者たちによって、植物が害虫を撃退する巧妙な手法が報告された。アオイマメは、葉を食い荒らす害虫の存在を感知すると、ラべンダーのようなハチ好みの香りを発して害虫の天敵であるスズメバチを呼びよせ、彼らに害虫を食べさせたり、卵(孵化すると害虫を殺す)を注入させたりして身を守る。また、トウモロコシ、クランベリー、インゲンマメなども、同様の防御反応を示すとのことである[Guardian Unlimited | The Guardian | Plants give off the smell of fear ]。


 米学会誌『植物生理学』の2004年4月号に掲載された彼らの論文によると、害虫によってかじられた部分では、ナトリウムイオンが細胞内に急激に流入して、膜電位(細胞膜の内側と外側の電位差)の強い脱分極が起き、そしてこの脱分極の波動は、葉全体に等方に広がった。興味深いことに、葉に機械的な損傷を与えた時には、害虫が葉をかじった時と同じ反応は起きなかった[Effects of Feeding Spodoptera littoralis on Lima Bean Leaves ]。このことは、アオイマメが、害虫による損傷を、他の損傷から区別して知覚しているということを意味している。


 イチジクも自己防衛のためにユニークな行動をする。「イチジク(無花果)の実」と間違って呼ばれている「イチジクの花」には小さな穴があって、イチジクコバチはその穴から中に入り、卵を産みつけ、その代わり、受粉の手助けをする。ところが、イチジクコバチの中には、まだ花粉の準備ができていない未熟な花の中に入って、卵を産む不心得者がいる。イチジクは、こうした互恵関係を無視した不心得者に対しては、卵を産み付けられた花を早々と切り落とし、その子孫を全滅させるという報復を行うことが確認されている[Richard Dawkins:The Selfish Gene ,p.230]。


 植物には、記憶力まであるという報告がある。植物にポリグラフ(うそ発見器)を付けた実験によると、一度火を近づけて脅すと、植物は、その人物がマッチに火をつけようとしただけでも同じ反応を示した。また2鉢の植物と6人の助手を使った実験では、ある助手が一つの鉢の植物を引っこ抜くと、目撃者のもう一つの鉢の植物は、その助手を目の前にした時だけ反応を示した [奇跡体験!アンビリバボー:植物の知られざる力 クリーブ・バックスターの驚異の実験記録 ] 。


 多くの人は、神経がない植物には、刺激を知覚したり、記憶したり、それらに基づいて反応したりする能力はないと考えている。たしかに、植物には、情報の伝達機能に特化した神経も、入力と出力の中継と記憶に特化した中枢(脳と脊髄)もないのだから、植物が、刺激を知覚し、それに反応するという動物的行為を行うことはないと思っても無理はない。しかし、植物の葉の細胞で起きている出来事は、動物の神経の細胞膜で起きる興奮の伝導と同じであり、専門的な神経はないものの、葉の細胞全体が神経と同じような役割を果たしながら、情報を伝達し、その結果、植物は、刺激に対して立派に反応することができる。

植物には、刺激の伝達機能に特化した神経だけでなく、刺激の受容機能に特化した受容器もないが、刺激を受容する能力はあると考えられており、大場秀章(東京大学総合研究博物館教授)は次のように語っている。

現在少しずつわかってきたことは、植物には特定の感覚器官はないが、あらゆる部分が感覚器官になっていると考えざるを得ないということである。つまり、眼や耳、口という特定の感覚器官はないのだけれど、例えて言うなら、植物はあらゆる部分が目であり耳であり、口である。

 
  大阪で時々、道路の真ん中に大木が植わっていて、その為に道路が大きく湾曲したり、中州のようになっていて、道路がその大木をはさむように走っているところに行き会います。大抵、そのような大木は、切るとたたりがある。あるいは、切ろうとした人が亡くなったので、お祀りをしていると言われてきている木です。霊力も備わっているのかも知れません。
 
 大阪市谷町6丁目付近、大阪読売新聞社の前辺り位が、具体的に思い出す場所ですが、他にもあります。勿論、日本全国、大木にいわれがあったり、祀られたりしていて、しめ縄を張った木は、キット、多くのかたに取り馴染みがある風景だと思います。