安部 司
食品の裏側―みんな大好きな食品添加物

 最近、書店に平積みされているので、気になって買いました。

著者は食品添加物の専門商社に勤め、添加物の神様と言われるくらい、食品添加物を使う事により、より消費者や、販売店の好む味や品質を作ることに専念してきました。その著者が、自分の子供の誕生日に、子供の好きな食品を奥さんが調理しているのを見て、奥さんに思わす、その品を「食べてはいけない」と言いました。理由は、普通なら廃棄するような部分を、添加物を使って、本物らしく、味も食感も変えて売られているもので、作ることに協力したのは、著者でした。自分の子供にこんなものを食べさせていること、それは、自分の子供のみならず、多くの人々に食べさせるように売られていることに気がついて、退社します。


 添加物のことは裏も表も知り尽くしている著者の語る内容には、非常に説得力があります。

添加物が咥えられることに対してのメーカー、消費者、そして、行政の責任がよく理解できます。我々は分からないことを、分からないまま許してしまっているけれど、もう少し声を上げなければ行けないと著者は訴えています。メーカーにたいしても、説明責任や売る側の倫理を求めています。


 メーカーは、添加物を表示するときにも、是なら法律に触れないだろうと、そして、事実触れないのかも知れませんが、表示の仕方が曖昧であることを行政が許しているために、結果として不透明な、何でもあり的な、表示と解釈になってしまっていることも書かれています。また、1品1品では害にならなくても、それが何品も使われたときの害は調べられていないことの方が多いと言うことです。


 アメリカ、サンフランシスコ近郊のことしか分かりませんが、中華料理店が、グルタミン酸ソーダ(味の素)は使っていないと言うことを表示している店がたくさんあるそうです。これは、中華料理症候群と言われていますが、中華料理店が特に多く使い、食べた人の中に、不調を訴え、訴訟問題に発展したことによると言います。、日本ではアミノ酸調味料の使われていない物を探すのが難しいです。それでも、私は余り沢山使われている食品を食べると、後口が悪く、舌が麻痺したような感覚になりますので、使っていないところの情報はこまめに集めて出来るだけそのようなものを購入し、食べるように心がけていますいます。

 日本人には繊細な味覚が備わっているはずですし、素晴らしい旨みを出す、昆布や椎茸、鰹節が有るにも拘わらず、時間が掛かるからと言うだけで、今迄培ってきた方法を捨て去ることはとても残念です。


 ジャンク・フード(直訳では屑の食べ物)という言葉は、高カロリー、高脂肪、低栄養価のインスタント食品・スナック菓子などのことを言いますが、時には、ハンバーガーやフライドチキンなどのチェーンレストランの食事の代名詞にもなってますが、日本では、ファミレス、ファミリーレストランといういかにも美しい名前にだまされているのではないでしょうか。


 私は

ピーター コックス, Peter Cox, 浦和 かおる
新版 ぼくが肉を食べないわけ
と言う本を読んで、なんと、惨い、非衛生な所で、肉にされているのか。結局、牛肉を生産すると言っても、少しも生産者の利益になっていないと言うことを知りました。

 私達の周りで起こっていることの全てのことを知ることは不可能ですが、健康やそれに繋がる食べ物のことは、自分自身のことであるから、出来るだけ知っておきたいと思っています。


 私達は、何を食べさせられているか分からないとウタガイながらも、まさか、そんなに悪いものを食べせせるはずはないと、何となく善意に勝手に解釈してしまっていますが、先の中華料理店が、味の素を使っていないと表示することが、集客の手段になるように、我々一人一人の声が、安全への道へ続くと信じたいのです。