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「待ってよ~ロニ~」

ボサボサの金髪を揺らしながら少年
カイル・デュナミスが走っていた

その前を銀髪を軽く立てた青年
ロニ・デュナミスが歩いている

「遅いぞ~・・・・・ぶっ」

なぜか笑いを堪えている
それを不思議に思いカイルが首を傾げる

「なんだよ~?」

「ぶっ・・・・ははははは!」

「だからなんだよー!」

「だ・・・だって顔・・・ははは!」

「?」

不思議に思い顔に手を当てたカイルが驚いた
何やら硬い物が当たる

「なんだよこれ!」

と自分の顔に付いていたものに気付く
それは何やら仮面のようだった
魔物の頭蓋骨からできていて頭上には空色の羽根が付いている

「いつの間に!」

「荷物の整理をしてたらあったからよ、面白そうだったから被せたんだよ」

「ひっどいな~」

「ところでなんでこんなもんあるんだ?」

ロニが不思議に思いカイルに聞いた

「お守りに持ってけって父さんが」

「お守りって・・・・・デカイだろうに」

「でもさ」

ふとカイルが言う

「これ持ってるとなんかホッとするんだ・・・・・」

「これが?」

「うん」

ロニが顎に手を当て考え込んでいる

「確かにそうだな」

「でもどこかで見た気がするんだよな」

カイルが言ったことにロニが首を傾げる

「そうか?」

「うん・・・・・」

「まっ、気にしても仕方ねぇ、とっとと片付けて行こうぜ?」

「元はロニのせいだろ?」

とカイルがロニを軽く小突く
ロニが笑いながらそれを受け止めた

「悪かったよ、早くしまえって」

「もう・・・・・」

そのまま仮面を荷物入れにしまう
そして二人は街に向かい歩き出した

「でもよかったの?せっかく親方さんにパンを焼いてもいいって言われたのに」

「まぁ世界を見て回るいい機会だからな、悪くはねぇよ」

「ふーん」

そんな会話をしながら二人は草原を歩く

その時風が吹いた
二人は構わず歩いていたが

荷物入れに入っていた仮面の羽根が静かに

ゆっくりと揺れた








人には様々な出会いがある

だがその出会いはなかったことになったかもしれない

でも確かな繋がりはある

それはそんな物語

運命の物語なのだ

~Tales of Destiny2~



哀黒の剣士 完

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その様子をジューダスは静かに見ていた
他のみんなも一緒だ

カイルが剣を振りかぶるが振り下ろさない
いや
振り下ろせないのだ

「カイル・・・・・」

リアラがそれを見て呟く

「できるわけないだろ・・・・・」

そして力無く剣を降ろす
リアラがカイルを後ろから掴む
何やら言っているようだが聞こえなかった
そして大声で言い放つ

「お願いカイル!レンズを砕いて!!」

「くっ・・・・・リアラーーー!!!」

再び剣を振りかぶり今度こそ切り付けた
レンズが粉々に砕け晶力が溢れ出す

そしてカイルが頭を抑えうずくまる
そして宣言するように腕を振り上げた

「この痛みは俺のものだ!神にだって癒せない!癒されてたまるか!!」

ふらついた様子で立ち上がる
リアラがカイルに近付く

「カイル・・・・・」

「リアラ!!」

その姿はぼやけていた
少しずつ消えているようだった

「ありがとう・・・・・カイル」
「リアラ・・・・・!リアラ!!!」

そして抱きしめるように腕を広げるがそれはできない
リアラの姿が消えた

「リアラ・・・・・」

砕かれたレンズが粉雪のように舞っている
それを手の平で握りしめた

「カイル・・・・・」

それを見ていたロニが呟く
そしてみんなの身体が光り出した

「これは・・・・・」

「時空間の歪みが激しくなってる・・・・・歴史の修復作用ね」

ハロルドが納得したように言った
そして続けた

「神が倒れたことによって神が関わった全ての事象がなかったことになる」

「つまり俺達のしたことやみんなの事も忘れるってことか?」

「そういうこと」

ハロルドの姿がぼやけていく
どうやら元の時代に戻るようだ

「なんだかんだで楽しかったわ、ありがとね♪」

「ハロルド・・・・・」

「ほんじゃさいなら~♪」

手を振りながらハロルドが消えた
次にナナリーが光り出した

「あたしか・・・・・」

「ナナリー・・・・・」

「しょげた顔しない!私達は同じ時代にいるんだから会えるよ・・・・・」

「そうだな・・・・・」

「じゃあまたね、みんな・・・・・」

そしてナナリーが消えた
次はジューダスだった

「いよいよ、か・・・・・」

自分の手を見ながら呟く
ロニが言った

「ジューダス、お前はどこに帰るんだ?」

「さぁな・・・・・元々ジューダスなる男はどの場所、どの時代にも存在しない」

そのまま続ける

「時空間の彼方をさ迷うか、リオンとして消えるか・・・・・」

「そんな・・・・・」

カイルが呟いた
ジューダスは続ける

「ジューダスとして生きると決めた時から覚悟していたことだ、それに・・・・・お前達に会えた」

「ジューダス・・・・・」

「一度死んだ人間こうしてお前達に会えた、それだけで幸せだ・・・・・それが手に入ったんだ、悔いはない」

「ジューダス・・・・・」

次にロニが呟く

「僕が助けるつもりだったが実際は逆だったな・・・・・」

「そんなことないよ、ジューダス」

「そうだぜ?」

珍しくロニも同意した
その様子にジューダスが微笑む

「そうか・・・・・」

そして身体がぼやけていく
最後にカイル達に言った

「さらばだ・・・・・」

ジューダスの身体が消えた
最後に見たカイルは笑顔で見てくれていた

そして神の関わった事象は消えてカイル達の出会い、旅の記憶

全てがなかったことになった

そして・・・・・・・

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「リアラ・・・・・我が聖女よ」

「フォルトゥナ・・・・・」

リアラがフォルトゥナに向き直る

「エルレインのやり方はどうやら間違っていたようです、リアラ・・・・・あなたの成すべき事を言ってみなさい」

「・・・・・・フォルトゥナ」

リアラが口を開いた
そして告げる

「私達がすべき事は・・・・・ありません」

「何も・・・・・ない?」

その言葉にリアラが頷く

「そう、人は自分の力で幸福を掴める、それだけの力がある」

それを聞いたフォルトゥナが問いただす

「自分が何を言っているかわかっているのですか?あなたは自分の存在を否定しているのですよ?」

「いいえ!」

その言葉にリアラが力強く否定した

「意味はある!それはカイルに会えたこと!カイルと旅をして得た事!」

「リアラ・・・・・」

それを聞いたカイルが呟く
リアラは続けた

「だから言える!フォルトゥナ!私とあなたは存在してはいけないの!!」

「なんと愚かな・・・・・!!」

フォルトゥナの周りの空気が震えだす
それを察したカイル達が構えた

「あなたは自らは何もできはしない人間達に期待するのですか・・・・・!!」

「・・・・・確かに俺達は、お前にとってはちっぽけかもしれない」

カイルは強い決意を込めた眼でフォルトゥナを見る
他のみんなも同じだった

「でも俺達は、自分の手で歴史を創っていける・・・・・だから」

カイルは言い放つ
全てを否定する神に対し
自分の好きな世界を
両親達が守った世界を守るために

「もう神はいらないんだ!!!」

同時にカイルが蒼破刃を放つ
フォルトゥナは片手で防いだ

「愚かな・・・・・」

それと同時に凄まじい振動が全員を襲った

「な、なんだ!?」

「動いている!?まさか地表に向かって!?」

「フォルトゥナ!!」

どうやら神の卵が地上に向かい動き出している
このままだと千年前の繰り返しになる
それだけは避けなくてはならない

「消えよ・・・・・」

フォルトゥナの手から無数の火球が放たれる
カイル達は防ぐが数が多くて近付けない

「くそ・・・・・」

「なら術で・・・・・フレイムドライブ!」

リアラが術を放つ
しかしそれはフォルトゥナの火球に相殺された
フォルトゥナも詠唱を始める
ジューダスが阻止しようと走り出した

「崩龍斬光剣!」

空中からフォルトゥナに切り掛かるがそこにフォルトゥナはいない
空間転移したのか後ろに下がっていた

「エンシェントノヴァ!」

フォルトゥナが詠唱を終えた
カイル達の周りの空気が熱を帯びる
すぐさま散り散りに離れた

カイル達のいた場所に巨大な火球が落ちてきた
周囲を焼き付くす

「んなろ!」

ロニがハルバードを薙ぎ払った
だがフォルトゥナがまたも転移する

「これじゃあキリがねぇ!」

「ふむふむ・・・・・」

ハロルドが何かに頷く
そして全員に言った

「私が術を放つから全員で最強の技を叩き込んで、それで終わらせるわよ」

「でもあいつ転移しやがるぞ?」

「そこも計算するから♪」

そう言うとハロルドが詠唱を始めるフォルトゥナがそれを阻止しようと火球を放つ

だが火球はカイル達が防ぎ届かない
そこにハロルドが術を放った

「よし♪・・・・・行くわよ、クレイジーコメット!」

フォルトゥナを中心に空間が裂き無数のエネルギーがぶつかる
さすがに転移をしても逃れられないようだ

「うっ・・・・・・」

そこに好機と見た全員が仕掛けた

「炎よ!潰す・・・・・ワイルドギース!!!」

ナナリーが矢を放った
それは無数の炎となりフォルトゥナを襲った
それに続きロニもハルバードを振るう

「叩きのめす!さらにのめす!まだのめす!」

次々とハルバードを打ち込む
止めに大きく振りかぶった

「それが・・・・・ファイナルプレイヤー!!!」

ハルバードがフォルトゥナに当たり吹き飛ぶ
リアラが術を放つ

「フォルトゥナ・・・・・終わりにする!シルフィスティア!!」

リアラの周りに風の妖精が出現しフォルトゥナを包む
次の瞬間に凄まじい風がフォルトゥナを襲う
さらにジューダスが駆けていた

「塵も残さん!行くぞ、浄破滅衝闇!!」

双剣を交差させ闇色の炎を放つ
そして振りかぶり切り付けた

「「「「「カイル!!!」」」」」

全員がカイルに呼びかける
そして全力で仕掛けた

「力を貸して・・・・・父さん!」

カイルが上段から切り付ける
フォルトゥナはまともに受けてのけ反った

「これが、受け継がれた英雄の剣だ!貫け!斬!空!天翔剣!!!」

数回切り付けたのちに最後に切り上げた
それを受けたフォルトゥナが崩れ落ちる
その身体は崩れ始めていた

「神を・・・・・超えると・・・あぁぁぁぁ!!!」

なんとフォルトゥナは立ち上がった
それを見たカイル達は驚いた

「消えろおぉぉぉぉ!!!」

フォルトゥナから巨大な晶力が放たれる
カイル達は避けれない

「ラスト・ヴァニッシャー!!!」

「うわぁーーー!!!」

凄まじい力がカイル達を襲った
全員が倒れる
フォルトゥナも崩壊寸前だが再び再構築されてきていた

「終わりです・・・・・」

「させ・・・・・る・・・か!」

なんとジューダスが立ち上がる
最後の力を振り絞り切り付けた

「貴様に、僕達の世界を・・・・・奪わせない!」

「死にぞこないがぁ・・・・・!!」

ジューダスの眼に揺らぎがない
さらに切り付ける

「僕は、過去を・・・・・断ち切る!」
剣に晶力を込め大きくなる
それを振り下ろした

「魔神・・・・・煉獄刹!!!」

「があっ!!!」

それを受けたフォルトゥナが再び倒れた

「消える・・・・・消えると・・・・言うのかぁぁぁぁ!」

そのままフォルトゥナが崩れ落ちる
そして完全に消滅した

それを確認したジューダスはカイルの元に近付き手を貸す

そしてカイルがフォルトゥナの核であるレンズに立った

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③へ続く