ネットにおける個人の自己表現について、極めて常識的な裁判結果です。
橋爪研吾被告(37)がネット上で企業を誹謗中傷し、それが名誉毀損にあたるというものです。
一審では、大手メディアと個人のネット記事ではその影響が違う、ということで無罪というトンデモ判決が出ていましたが、二審ではそれが完全に覆されました。
ネット記事であれば、個人は情報のウラを取らずとも好き勝手やっていいというのは、明らかに道理に反することで、影響ということだけ考えても以前の東芝クレーマー事件のような個人のネットでの情報発信が基になっていることをみれば、一概に大手メディアと比較して影響は少ないなどとはいえないはずです。
さて、このニュースで興味深いのは、「苦情の坩堝」のように正義の味方ヅラで、
『消費者は常に被害者であり、ネットなんだから好き勝手に何を書こうが構わない、それに反論する企業は、反論する時点で消費者にの声を真摯に聞かない悪徳マルチ企業だ!』
とネットでの言論を展開する方たちの対応です。
今の時点では何も反応はないようですが、今回の判決を基に、「苦情の坩堝」の記載内容で明らかな言われ無き誹謗中傷を受けている企業が、腕まくりして訴訟準備をしていることを考えれば、管理人は枕を高くして眠れないことでしょう。
特に、訴訟関係では田中孝顕氏の会社で速聴やナポレオン・ヒルなどの有名自己啓発プログラム商材を扱うエス・エス・アイ社は、著作権、商標権などだけでなく、いわれなき誹謗中傷についての訴訟にはいつも積極的なようなので、今回も何か動きがあるのではと楽しみにしています。
もちろん、単なる詐欺商法、悪徳商法、悪徳MLM(マルチ)はその真実を徹底的に白日のもとにさらし、弾劾を続けるべきです。その活動は私も積極的に支持します。
しかし、根拠も無く誤った情報を基にしてでも、表現の自由や消費者保護を錦の御旗にすれば何を言ってもいいという方針には到底賛同できるものではありません。
今回の判決はそういう意味でもごく当たり前のまっとうな判決です。
yahooニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090130-00000163-mai-soci
毎日新聞Webサイト
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090131ddm041040081000c.html
<名誉棄損>ネットに中傷文 無罪破棄し罰金命令 東京高裁
1月30日22時4分配信 毎日新聞
ラーメンチェーン経営会社を中傷する文章をインターネットのホームページ(HP)に掲載したとして、名誉棄損罪に問われた会社員、橋爪研吾被告(37)の控訴審判決で、東京高裁は30日、1審の無罪判決を破棄し、求刑通り罰金30万円を言い渡した。ネット上の書き込みで同罪が成立する要件について、1審は「マスコミ報道や出版の場合より限定すべきだ」と判断したが、長岡哲次裁判長は「ネットに限って基準を変えるべきでない」と覆した。
橋爪被告は02年10~11月、HPに「経営会社はカルト団体が母体」などと記載したとして在宅起訴された。1審・東京地裁は08年2月に「利用者が互いに反論でき、情報の信頼性も低いと受け止められている」などとネットの特性を挙げ「内容が真実でないと知っていたか、水準を満たす調査をしなかった場合に限って名誉棄損罪が成立する」との新基準を示した。
これに対し、2審は「ネット情報が不特定多数に閲覧されることを考えると、被害は深刻になり得る」と指摘。ネットに限って名誉棄損罪の成立要件を限定するのは「被害者保護に欠け、適当ではない」と結論付けた。
判決後、橋爪被告は「やれるだけの調査をしたのに刑事罰を科せられては、個人の表現が萎縮(いしゅく)してしまう。問題企業や団体をサイトで告発している個人が片っ端から犯罪者にされてしまうのか」と話し、上告の意向を示した。東京高検の渡辺恵一次席検事は「適正、妥当な判決」とのコメントを出した。【伊藤一郎】
橋爪研吾被告(37)がネット上で企業を誹謗中傷し、それが名誉毀損にあたるというものです。
一審では、大手メディアと個人のネット記事ではその影響が違う、ということで無罪というトンデモ判決が出ていましたが、二審ではそれが完全に覆されました。
ネット記事であれば、個人は情報のウラを取らずとも好き勝手やっていいというのは、明らかに道理に反することで、影響ということだけ考えても以前の東芝クレーマー事件のような個人のネットでの情報発信が基になっていることをみれば、一概に大手メディアと比較して影響は少ないなどとはいえないはずです。
さて、このニュースで興味深いのは、「苦情の坩堝」のように正義の味方ヅラで、
『消費者は常に被害者であり、ネットなんだから好き勝手に何を書こうが構わない、それに反論する企業は、反論する時点で消費者にの声を真摯に聞かない悪徳マルチ企業だ!』
とネットでの言論を展開する方たちの対応です。
今の時点では何も反応はないようですが、今回の判決を基に、「苦情の坩堝」の記載内容で明らかな言われ無き誹謗中傷を受けている企業が、腕まくりして訴訟準備をしていることを考えれば、管理人は枕を高くして眠れないことでしょう。
特に、訴訟関係では田中孝顕氏の会社で速聴やナポレオン・ヒルなどの有名自己啓発プログラム商材を扱うエス・エス・アイ社は、著作権、商標権などだけでなく、いわれなき誹謗中傷についての訴訟にはいつも積極的なようなので、今回も何か動きがあるのではと楽しみにしています。
もちろん、単なる詐欺商法、悪徳商法、悪徳MLM(マルチ)はその真実を徹底的に白日のもとにさらし、弾劾を続けるべきです。その活動は私も積極的に支持します。
しかし、根拠も無く誤った情報を基にしてでも、表現の自由や消費者保護を錦の御旗にすれば何を言ってもいいという方針には到底賛同できるものではありません。
今回の判決はそういう意味でもごく当たり前のまっとうな判決です。
yahooニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090130-00000163-mai-soci
毎日新聞Webサイト
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090131ddm041040081000c.html
<名誉棄損>ネットに中傷文 無罪破棄し罰金命令 東京高裁
1月30日22時4分配信 毎日新聞
ラーメンチェーン経営会社を中傷する文章をインターネットのホームページ(HP)に掲載したとして、名誉棄損罪に問われた会社員、橋爪研吾被告(37)の控訴審判決で、東京高裁は30日、1審の無罪判決を破棄し、求刑通り罰金30万円を言い渡した。ネット上の書き込みで同罪が成立する要件について、1審は「マスコミ報道や出版の場合より限定すべきだ」と判断したが、長岡哲次裁判長は「ネットに限って基準を変えるべきでない」と覆した。
橋爪被告は02年10~11月、HPに「経営会社はカルト団体が母体」などと記載したとして在宅起訴された。1審・東京地裁は08年2月に「利用者が互いに反論でき、情報の信頼性も低いと受け止められている」などとネットの特性を挙げ「内容が真実でないと知っていたか、水準を満たす調査をしなかった場合に限って名誉棄損罪が成立する」との新基準を示した。
これに対し、2審は「ネット情報が不特定多数に閲覧されることを考えると、被害は深刻になり得る」と指摘。ネットに限って名誉棄損罪の成立要件を限定するのは「被害者保護に欠け、適当ではない」と結論付けた。
判決後、橋爪被告は「やれるだけの調査をしたのに刑事罰を科せられては、個人の表現が萎縮(いしゅく)してしまう。問題企業や団体をサイトで告発している個人が片っ端から犯罪者にされてしまうのか」と話し、上告の意向を示した。東京高検の渡辺恵一次席検事は「適正、妥当な判決」とのコメントを出した。【伊藤一郎】