同じ市町村で生を受け、共に育った淀君と川田愚連隊隊長。二人が手掛ける事業は、その規模とは裏腹に、予想以上に卑劣で汚れたものだ。学校でのイジメも日常茶飯事で、その内容を自慢気に語り合う様子には、人の心を惑わす暗い影を感じさせた。


それでも二人は、地元の高校では嫌な人物がいるため、別の地域の高校に通うことを決意。電車通学を嫌がり、公務員の父親に送り迎えを頼んだ。また、自動車学校には知り合いがおり、怖がって行けないと打ち明けると、家の敷地内で軽トラの運転練習をすることになった。その際、免許証は父親が偽造したものを届けてくれたという。

さらに、二人が勤務する職場には女王様的な存在がおり、手揉みを欠かさない。二人はイジメを止めることはせず、ロクな人間はいないと自分たちも含めて告発された際には、皮肉交じりにBANZAI(ノ≧∀≦)ノBANZAI(ノ≧∀≦)ノBANZAIと叫んだ。

このような描写は、人間の陰鬱な面を浮かび上がらせ、読者に深い感銘を与える。また、文体が洗練され、より鮮明なイメージを伝えることができる。