読み切ってびっくり、なんと実話を元にしたフィクションでした。

 

 

主人公Aliceは小さな頃から歌手になるのが夢でした。嚢胞性繊維症 (Cystic Fibrosis) という難病のため呼吸器の感染症をくり返し、呼吸機能の弱い彼女に「歌手なんかになれない」という同級生、さらには自分にはできないという暗示。それらを覆して彼女は歌手としてデビューを果たすのですが、病気の進行は待ってくれません。彼女の体は心臓、肺、肝臓の同時移植が必要なほど蝕まれていました(モデルとなった女性歌手:Alice Martineau アリス マルティノ)。

 

 

厳しい状況の中、彼氏Tomが悲嘆にくれ、「もし君がいなくなったら・・・」

 

 

そんなことは起こらない。でも、もしそんなことが起こったら・・・

 

 

I'll haunt you. 

私はあなたを追っかけまわすわよ。

 

How? 

どうやって?

 

In a good way. 

いい意味でよ。

 

 

When you're in a meeting I'll make sure the men in suits cough up the money. 

あなたが商談の席にいたら、ちゃんと上手くいくようにしてあげる。

 

 

If you're in a hurry I'll turn the traffic lights green. 

あなたが急いでいたら、信号を青に変えてあげる。

 

 

If you see a beautiful woman I'll make sure she does not fancy you. 

あなたが奇麗な人に出会ったら、彼女があなたのこと好きにならないようにするわ。

 

 

そして、

 

If you do have a new life without me

あなたが私のいない新しい人生を歩むなら・・・

 

 

I won't. 

 

 

You'll live by the sea and have children. You'd make a great dad. 

あなたは海辺に住んで子どもがいるわ。素晴らしい父親になるわよ。

 

 

実はこれは二人の夢だったんですね。

 

 

If you do, I'll be happy. 

そうなったら私は嬉しいの。

 

I'll be cheering you on. 

 

 

商談が上手くいく度、タイミングよく信号が青に変わる度、奇麗な女性に相手にされない度にきっと彼は彼女を思い出してふっと笑顔になるんじゃないかなと思います。ちょうどこの本を読み終わった日、日本で素敵な女性が旅立たれましたね。彼女の最後のブログの言葉が、「皆様にも、今日 笑顔になれることがありますように」でした。青い空の下、「今日」という日を与えられたことに感謝して。