図書館で借りて来た本を読み始めました。可愛らしい表紙というだけで選んだのですが、がっつりと悲しい予感のする本です。予後の厳しい難病の女性が夢を追う物語なのですが、読んでいるとふっと一人の女の子の顔が浮かんできました。

 

 

病気は違いますが、難病を抱え感染症やら状態悪化で入退院をくり返していました。賢い大学の英語科の学生、病気がなければ留学や仕事で世界を飛び回っていたかもしれません。循環器系の疾患は、活動、食事、飲水に制限がかかります。そして、残念ながらこの難病の予後も私たちが想像する以上に厳しいものでした。女子大生にはあまりに過酷な現実。それでも彼女の明るさや前向きさは周囲の人を明るくする力を持っていました。時々、無茶をして入院してくることもあったけどまだ二十歳になるかならないかの女の子。したいこともいっぱいあったんだと思います。

 

 

残念ながら私が仕事を辞めてから間もなくして亡くなったそうです。彼女と深く関わった看護師から、「彼女はQOLを選んだのよ。大人しくしていたらもっと長生きできたかもしれない。でも、それは彼女の望むことじゃなかったのよ」と聞きました。でもね、思います。もっと生きたかっただろうな。

 

 

黄色い花黄色い花黄色い花

 

 

物語の中で主人公のAliceに好意を寄せる男性がいるのですが、彼は病気や予後のことを知って関係を進めていくことを躊躇してしまいます。そのことを知ったAlice、自分も病気のことを考えると怖いでもだからこそ

 

 

I don't want friends or family reminding me of it.

 

 I want someone to help me escape from it. 

 

 

自分の病気や予後を忘れさせてくれる人が欲しいんだと伝えます。

 

 

自分の人生は人より少し何が起こるか分かっている部分が多いけど、他の人の人生だって明日にはどうなるか分からない。人生は下り坂かもしれないし、誰かと一緒にその下り坂を下っていかないといけないかもしれない。

 

 

But, I can't begin to go down a path  with someone who's scared already.  

 

 

でも、始まる前からすでに怖がっている人とは一緒には歩めないよときっぱり。さてさて、どうなっていくんでしょうね、この物語。

 

 

本を読みながら、病院の外に広がっていた彼女が病気を忘れられる世界、それがキラキラしたもので彼女にたくさんの幸せを与えてくれていたのだったらいいなと思いました。彼女には与えられなかった時間に感謝して。