皆さまこんばんは。
慌ただしいとなかなかブログを更新することを怠けてしまいますね。
さて今日の議題は「保育費の所得控除」について。
「ワンオペ育児」という言葉が2017年度の新語・流行語大賞に
ノミネートされましたね。近年夫婦共働きの世帯が増加し、平成9年以降は、
共働き世帯数が男性雇用者と無業の妻からなる世帯数を上回りました。
厚生労働省は平成28年度の税制改正要望において、仕事と家庭を両立し、
女性の活躍を促進する等の観点から、ベビーシッターの利用などの子育て支援に
要する費用の一部について、税制上の措置が必要であると指摘をしましたが、
未だ実現には至っておりません。
なぜ保育費は控除できないのか、控除できないと考えられているのか整理します。
1.保育費は所得税法45条1項1号の家事費であるとの考え方
45条1項1号では
“家事上の経費及びこれに関連する経費で政令で定めるもの”
と、されています。いわゆる家庭内でかかった生活関連費を、
必要経費に含めることはできないという条文ですね。
2.事業との関連性が認められないという考え方
保育費は課税所得をもたらさない活動に関係する支出です。
個人的支出でも、事業と密接な関係があれば、事業経費控除が受けられる事例も
ありますが、現状シッター代と事業関連性は認めるに至っておりません。
なお、経費として認められる条件とは主に下記の3つ。
①経費の内容が説明でき、さらに他者から見ても納得のいく客観性
②文書や客観的な証拠で裏付けが取れている
③結果的に増収につながっているなどの合理性
3.給与所得者との公平性
給与所得者の場合、収入金額に応じて概算で必要経費が決定されます。
これを「給与所得控除」といいます。
実際にかかった費用での控除はできないためベビーシッター代などの
個人的事情は介入する余地がありません。
一方で事業所得者は、実額にて経費計上が認められます。
しかし、制限なく個人的事情を加味していては、給与所得者との公平性が
保てなくなってしまいます。
上記のような考え方により、日本ではベビーシッター代の経費計上は
難しいと考えられています。
なお、欧米諸国ではすでに税額控除等の税制上の優遇措置を設けている国もあるため
日本においても将来的に優遇措置が設けられる可能性もあります。
納税者としては今後の改正に期待し、税制上で規定できずとも、
補助金等で各家庭の負担を減らせるような措置を講じてほしいものですね。