スポーツ選手の怪我・故障を予防するトレーナー尾形のブログ

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東北 宮城
トレーナーの尾形竜之介です。

一人でも多くの怪我や故障に悩むスポーツ選手を救うため日々奮闘しています。

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本日は、
“育成年代のスポーツ障害を予防する ⑤子どもの痛みの対応”についてお話しさせていただきます。
 



 
 
前回までは、中学生年代の子どもの心身的特徴と各年代におけるスポーツ障害・外傷の特徴を整理してきました。






今回は、実際に痛みを訴える選手が目の前に現れた時、どうするか?何を考えるか?といったところをkeywordにお話をしたいと思います。 






 ●こどもの痛みと大人の痛みの違い 

 

 

子どもの痛みと大人の痛みを同等に考えることはタブーです。

 

 

 

基本的に子どもの身体は大人と比べて未熟であり、同じ「痛い」であっても子どもの場合は重大な問題が潜んでいる場合があるからです。

 

 

 

 


 

スポーツ医学の権威である柏口先生は自身の著書で、

 

 

 

「子どもの痛みは大人の3~5倍くらいに考えてちょうど良い」と考えています。”

 

 

 

と述べています。

 




 

この言葉の意味は、子供だから大したことはないとか、すぐに治るでしょうとかそういう安易な気持ちで考えていては子どもの身体の重要な問題を見逃してしまうということであると僕は考えます。

 

 






 

そうなれば、スポーツ障害やスポーツ外傷の早期発見・早期治療が行えず、当然のことながらそれらを予防することは困難になります。

 




 
子どもの痛みを安易に考えてはいけないのです。








●現場で子どもが痛みを訴えた場合の対応 

 

 

では実際、現場で子どもが痛みを訴えた場合どうするかについて考えていきたいと思います。

 

 

 

ここでは、

 

①急激に痛みが出たような怪我の場合

 

②慢性的に痛いような故障の場合

 

に分け考えていきます。

 

 






 

 

 

①は、急な怪我ですからスポーツ外傷になります。

 

 

 

この場合は、まず緊急性があるかどうかを最初に判断する必要があります。

 
 


 

初期の対応が重要で生死を分けることもあるからです。

 
 




 

スポーツ障害のうち緊急性があり病院受診もしくは救急車を呼ぶ必要がある場合は、

 

⑴痙攣や意識の消失 → (?)頭部外傷、心臓の病変、熱中症

 

⑵手足のしびれ、運動麻痺 → (?)脊椎・脊髄損傷

 

⑶大量の出血がある → (?)血管損傷

 

⑷腹部に痛みがある → (?)腹部臓器損傷

 

⑸吐き気がする → (?)頭部外傷

 

⑹目に損傷がある

 

⑺四肢が大きく変形している

 

などがあります。

 

 

 

もちろん他にもあり、様々な団体でガイドラインを出しています。

 

 

 

しかし僕らは医師ではありませんので確実な診断は行えません。

 
 


 

そのため、迷ったら救急車を呼ぶということが大事になります。

 










②の場合は、スポーツ障害に分類されます。 

 

 

この場合、最も重要なのは痛みが発生している原因を究明することです。

 

 

 

子どもの痛みは持続期間が短いというのも特徴にあります。

 

 

 

休んでいて一度痛くなくなったから、前より痛みがいいからなどの理由で放置してしますと、症状が進行していることも少なくありません。

 

 

 

 

 

痛みが発生している原因を究明する手段としては、

 

⑴専門医への相談

 

⑵定期的な病院受診

 

⑶理学療法士、トレーナーによる動作・姿勢の評価

 

 

 

などが考えられます。

 

 

 

 

 

 




 

●まとめ

 

 

 

今回、子どもの痛みをどう考えるか、実際現場でどう対応するかについてお話しさせていただきました。

 
 


 

子どもの痛みを安易に考えてはいけない。

 

 

 
これが重要だと考えます。