ぱしり ぱしり …
どんぐりに打たれて
ころり ころり …
どんぐりを転がして
ひかりの一本道をゆく
静かな森の
あちらで こちらで …
かつん
こつん …
不規則に響き渡る
短くてかたい音
あんなに臆病な小鳥たちが
驚く気配もなくて
… 不思議
アベマキ
ミズナラ …
降りしきる
大きなどんぐりたち
こつり …
がさり …
飾り気のない真っすぐな音が
心地よくて
愛おしくて …
気がつくと
目も口元もほんのり笑ってる
頭にあたると結構痛くて
なのにわたしときたら
まるで嬉しいみたいに
きゃ とか
わ とか 声をたてて
からだをすくませて
ひとりでじゃれて喜んで
すっかり笑ってるじぶんに
また …
ほんのり笑う
ここは大切な場所 …
あの日
魂が教えてくれた
大切な場所
いつか …
きっと帰ってくるよ
ひとつの
幸福なひかりになって
真っすぐにかたい
どんぐりたちの隙間を
つなぐようにして
かさり …
かさり …
やさしい声と仕草で
降りつもってゆく落ち葉と
それを運ぶ
透明にやわらかな
風の音
ずっと聴いていたい …
呟きと 囁きたちの
安らかな調べ
ぱしり ぱしり …
どんぐりに打たれて
こつり ぱちり …
降る音に抱かれて
ひかりの一本道をゆく
10月の初め
秋の入り口
静かな
静かな …
にぎやかな森
ころろん … ♪
゚・*:.。..。.:*・゚゚ 忘れてないよ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・