今朝
あなたの 夢を見た
あなたとわたしは
バスに乗って
どこかへ向かおうとしている
行く先には
とても楽しいことが待っていて
わたしたちの顔は
ふたりでいる喜びと 期待に
はち切れそうに輝いていた
気がつくと いつも
澱のように
ふたりの間に漂い始める
束の間の夢の終わりの
空虚な寂しさの気配など
まだ
どこにも存在しない
なにもかも
これから始まるばかりの
幸福な 夢
そのバスは
TVや雑誌で見たことのある
東南アジアの国の
どこかの街の光景みたいに
ドアの無い満員のバスの 外にまで
人が 鈴なりにぶらさがっていて
わたしたちは
笑い声をあげながら
動き出したバスに飛びついて
指と 足先だけで
「 乗り込ん 」だ
まともに腕立て伏せも出来ない
頼りないわたしなのに
カーブや でこぼこで
時々 振り落とされそうになりながら
器用にぶらさがって
隣にいるあなたの
大きな からだと
強くて 逞しい腕
わたしを見る
いつもの優しい目を
からだの右側で感じながら
怖い事など 何もなかった
途方もない 安らかさ
『 あなたがいる 』 …
それだけで
世界のすべてが 守られていた
『 Suica 持って来たかしら … 』
不安といえば
それきりの
綿菓子のように
無邪気で
とろりと
あたたかな海のように
満ち足りた
ただ ひたすらに
愉しくて
…
なにもかも
気が遠くなるほど …
幸福な
夢 だった
゚・*:.。..。.:*・゚゚ 忘れてないよ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・