脇道に出られない私は、海にいる。 世界の果てとも呼べる場所の。 車を走らせているのはベーシストだ。 私たちは、海沿いを走る大きな道路を通り 市内へ戻る予定だった。 …海沿いなのだ。 海という揺るがないランドマークがすぐ脇にあるにもかかわらず 私たちは理由もわからず、その道を逸れ、ついぞ戻ることができなかった。 何度やり直しても。 道は私たちを山あいへと誘い 車中の音楽は、コントロールを放棄され 乾燥した響きさえ放っていた。