雪がやんだ月夜の道を、

母に連れられて、歩いていた…

手袋をした母の手の温もりが、

小さな私の手袋をした手にも伝わり、

寂しいはずの道のりは、

嬉しさに変わっていた…

サクサク、ザクザク、

サクサク、ザクザク…

雪を踏みしめる足音は、

静まり返った冬の景色に、

心地よく、響き渡っていた…