吹雪一寸先も見えなくなるような、真っ白な雪の嵐が、眉毛に、まつ毛に、頬に、唇に、そして、全身にまとわりついていく…このまま、寒さと雪の中に、この身が消え去りそうになりながら、そして、孤独と不安にいたたまれなくなりながら、一瞬、大きく息を吐いてみる…その、目の前に放った息の白さと柔らかさ、そして、何より、温かさに安堵する…今、ここに生きているということの確さをかみしめながら、そして、大地を踏みしめながら、また、歩き出してみる…