こんにちは、そらのこくばんです。
いよいよ4月
心機一転、今まで長いこと2つか1つにしばっていた髪を、前髪をつくりたいと
バッサリ美容師さんと雑誌をみながらシートヘアーに
自分自身で髪型を決めたこと、成長したなーって思うぼくとママです。
この週末、こずえちゃんの通う学園の入園式が行われました
選んだ服は...
将来就活にも使えるであろう、2つボタンの黒のスーツです。
ママは、ズボンの方が絶対に合ってると思ったのですが、
こずえちゃんはスタンダードなタイトスカートに決めていました。
スカートとなるとストッキングが必要。
ママはなるべく締め付けが少なく、前と後ろがわかるタイプの商品を選びました。
がしかし、”スーツにはストッキングをはく”という概念がなく、また、はき方もわからないこずえちゃんは、朝から不機嫌
ママとごじょごじょっとつま先近くまでたぐませて、なんとかはいてはみたものの、
その上に、今まで毎日はいていた、紺のスクールソックスをはいてしまったので、
そこからの修正がまた大変でした
ぶつぶつ怒りながら、行ったり来たり。扉をバンとしめて、また開けてバン
ママとパパで、スーツを買うときにもらったパンフレットを持ち出し、
お姉さんは靴下をはかないで、黒い靴をはいているでしょ
そして、(越境して通った一般中学校のお友達の)○○ちゃんも、△△ちゃんも、大大学とか専門学校始まると思うけど、絶対に靴下はかないよの説得に、
ようやく折り合いをつけ、なんとか靴下なしで合意してくれました。
ぼくたちの当たり前は、こずえちゃんには通用しません
お着換えの問題はそれだけではありません。
初めてのタイプのボタンも、理解に苦しみます
ブラウスの上から等間隔でついている3番目と4番目の間に、もう1個、なぞのボタンがあります。
実はママも初めてで、そのボタンの反対側は、穴が全部開いておらず、一瞬不良品かと思いましたが、多分これは、はだけるのを防ぐための、表には見えない隠しボタンだと推測し、半ば強引に、どうにかこうにかはめることが出来ました。
あー、新生活前の風物詩だなぁと、セーラー服のホックやチャック、スカーフの結び方を教えるのに苦労したこと...
ブレザーの下の長すぎるシャツの袖は折らないと、大騒ぎだったこと...
数限りなく、ひともんちゃくのエピソードが浮かんできます。
でも今回買った、リボン付きブラウスのリボンだけは、こずえちゃんご所望の品だったので、リボンの最後を出すべきか中に入れるべきか...
迷ったママに、こずえちゃんは「こうだよ!」とパンフレットの通り、きれいに最後の部分をジャケットの中にしまって、形を整えておりました。
ここには、ママよりちゃーんとチェックの目が行き届いていたのですね
式典の会場につき、再びけげん顔。
なぜなら、学園の先輩が書いたであろう、入口の素敵な看板に、”入園式”とかかれてたことにご不満
『それって、保育園か幼稚園のときに使う言い方じゃないの?』と、
『大学生になった今にはふさわしくないと、一瞬頭をよぎっているなー』と悟ったママは、学園は最後に園がつくから”入園式”。 事業所なら最後に所がつくから”入所式”と解説しながら、まてよ、学校は入校式とは言わないなーと、気付かれる前に会場に入り、学園生の席に座りました。
やっぱり新しいところは苦手なこずえちゃん
保護者席からトイレに向かったママを追って、ダダダダーと走ってきて、向かい側のトイレの扉をバンとしめ...
ここで言い合いしても良くないので、「はい、静かに扉を閉める練習。」といって、「正しく閉める練習。」といって、気持ちを落ち着かせ、できたところで合格サインを出し二人で席まで戻ろうとすると、再び怒りながらネガティブな言葉を連発。
力を入れてママの腕をギ―ッとつかみました
これはこずえちゃんの居たたまれないときのサイン。
ママは、痛いからやめて欲しいことを伝えつつ、怒りは第二の感情!第一にはなにがある??緊張⇒怖いかな?!と自問自答しながら、「みんな最初は緊張するの、当たり前!」と伝えると、自分だけじゃないんだと、少し気持ちも落ち着いて、席に戻っていきました。
それからもう一つ、BGMで”G線上のアリア”が流れていると、「これは卒業式の曲だから」と、小学校の卒業式で流れていたのを思い出し、入園式にはふさわしくない!と、本人曰く、びっくりして怒ってしまったと、そのように言っておりました
相変わらず、ややこしい頭の持ち主です
式が始まると、一人一人入園許可証を手渡しされました。
これは会社でいう辞令のようなものでしょうか。
どの学園生も、一度簡単なリハーサルをしただけで、とっても立派に証書を頂いておりました。
こずえちゃんがいきなり聞くとびっくりするかもしれないくらい、大きな声で返事をする学園生。
曲がり角ではきっちりかっちり90°にロボットのように正確に曲がる学園生。
確か支援学校にも、似ているタイプのお友達がいたなぁ~と思いつつ、共通して言えること、それはどこの支援学校の生徒さんも、卒業式では、たくさんたくさん練習をし、立派に卒業証書をもらったのだろうなーと、想像ができる一コマでした。
お一人だけ、どうしても緊張と不安からでしょうか。
泣きながらお母さんの元へ戻ってしまい、理事長先生の前にいけない学園生がおりました。
「緊張しているのね!」と、理事長先生のじっくりと待つ姿勢に、最後はどうにか証書をうけとることが出来たこと、純粋にがんばれーと応援したい気持ちなりました。こずえちゃんもそうだけど、障害があるがゆえの生き難さは、ご本人しかわかり得ないことなのでしょう。
とはいっても、怒りん坊のこずえちゃん。
緊張するのはわかるけど、イヤな気持ちがこみ上げてくると、ブツブツいって怒るので、『できれば泣いてくれた方が、優しくよしよしと出来るのに...。』と、ママはいっつも困っています
理事長先生のごあいさつの中で、ゆっくる育つ彼らだからこそ、18歳と22歳では出来ることが全然違い、この大人になるまでの4年間の経験とチャレンジが、成長するのにとても大事な期間だと、3月に卒業生した学園生の発表をみて、この取組は間違ってなかった!と確信されたお話を頂きました。
ぼくもママのパパも、その通りです!と心から拍手を送りました。
支援学校を卒業すると、すぐに福祉的にせよ、一般の障害者枠にせよ、就労の道へすすむのが、障害をもつ生徒さんたちの、ほとんどの選択肢です。
そんな中で、この学園のように、時間をかけて色んな取り組みにチャレンジし、若者同士のキラキラとした青春を謳歌する時間は、かけがえのない経験になると容易に想像できます。
こずえちゃん自身も、この学園のことを『障害者のための専門大学』と表現しておりました。
そしてこずえちゃんの進路先を聞いたお友達は、「えーっ、うっそー大学にいくのーすげー、ぼくも行きたい」こんな言葉が聞かれたのは、もっと遊んで、いっぱい勉強して、これが18歳の素直な気持ちなのではないでしょうか...
春爛漫の穏やか日
男子4名、女子6名。
個性豊かな学園生の、キャンパスライフが始まります